今回は動物の性別にまつわるお話をしたいと思います。
動物をお迎えする際にオスにするかメスにするかで悩まれる方も少なくないと思いますが、
身体の性別をどちらも持っており、どちらの性別とも言えない動物も確率は低いですがごく稀に存在します。
先日手術をした猫ちゃんのお話です。
その子は、以前別の動物病院さんで子宮卵巣摘出手術を受けたとのことでしたが、どう見ても睾丸らしきものがあるとのことで、改めて確認のため当院を受診され、写真の睾丸(らしきもの)を確認しました。
このような症例を半陰陽と呼び、半陰陽とは1つの身体に雌雄両方の生殖器をもつことをいいます。
メスの生殖器である子宮卵巣の摘出手術を受けた際の詳細は不明なので、それらがどのような状態であったかはわかりかねるのですが(しっかり存在していたのか、奇形や未熟な状態だったのかどうかなど)、オスの外部生殖器(陰嚢)も写真のように通常の位置・形とは異なっていました。

通常の形はこちらです↓

この半陰陽の子の陰茎は肛門方向へ屈曲した状態で陰嚢の間の皮膚と癒着し、その先には膣のようにも見える皮膚開口部が確認されました。

院長は獣医師になって約15年が経ちますがこのような症例は初めてとのことでした。(もちろん私も初めてです)
ちなみに摘出した睾丸(らしき)ものは肉眼上はどう見てもオスの睾丸そのものであり、排尿はおそらく上述の皮膚開口部を通じて行われているようでした。
ところで、「三毛猫のオスは珍しい」という話を聞いたことはありませんか?
実は三毛猫のオスは性染色体がXXYとなっており、メスの性染色体XXとオスの性染色体XYのどちらももつ半陰陽のような状況で生まれてきているということがわかっています。
今回の半陰陽の猫ちゃんは三毛猫さんではありませんでしたが、オスの三毛猫と同様、例え雌雄の性別を持っていても、尿路などの主要臓器や組織に奇形などが見られなければ、他の子と同じように生活することができると言われています。
実は私が大学時代に保護し、実家で飼っていた三毛猫は大人になるにつれて白とオレンジの毛の他に黒毛が増えてきてオスの三毛猫だったということが判明しましたが、その子も特に大病することもなく長生きしました。
こちらの猫ちゃんも、手術後も健康に幸せに長生きしてほしいなと思います。










