人参で行水ができたなら
あっという間に3月→4月→5月となり、長いと思っていた健康診断キャンペーンも、まもなく終了となります。
今年も、昨年と同様、健康診断がきっかけとなり病気が発見され、早期に手術を行うことができたため一命を取り留めたという症例が少なくありませんでした。(それはまた別の回で詳しくレポートしたいと思います。)
毎回同じ話をしているので耳にタコができるかもしれませんが、また改めて同じお話をすると、
春の時期に健康診断キャンペーンを行っている病院さんは多いと思いますが、健康診断を受ける上で、もしくは受けた後で大切なことは、〝どういう検査をして、どこまで把握できたか〟ということをしっかり捉えることです。
・血液検査だけ行って、果たして〝健康〟の烙印を押していいのか?
・少ない項目だけ見て〝健康だ〟と安心していいのか?
正しく認識しなければ、むしろ健康診断を行ったことにより油断が生じ、病気の発見を遅らせる危険性も少なくありません。
実際にあった例としては(他院で聞いたお話も含め患者さんからの証言を元に挙げています)、
■安価で健康診断をしてくれるというので血液検査を依頼したが、全身状態を把握するには全然足りない項目数だったため、病気の見落としが発生してしまった。
■十分な健康診断を行っていたけれど、健康診断からまもなく突発性の病気になった。→健康診断で異常がなかったため、一時的な不調かと油断してしまった。(:健康診断後に急な病気に陥ることがあるため、健康診断の時点で異常がなくても大きな病気にかかることはありえます。=今までに多かった例としては、特発性免疫介在性溶血性貧血等が挙げられます。 )
■健康診断の結果を「連続」ではなく、「一点」で見ていたために将来のリスクを見逃し病気に進行した。(健康診断は、行った時点での身体の状態を見ることも大切ですが、同じくらい大切なのは、その子の数値がどう推移しているのか連続で評価することです。以前のブログでもお伝えしたことがありますが、基準値の範囲内に収まっていることだけが大切なのではありません。〝その子にとっての基準値〟というものがあり、それが一般的な基準値を少し逸脱することもあり得るのです。 =基準値の設定方法は、健康なものの数値を集め、上下数%を外した値で設定されるため、その切り捨てられた値にその子の正常値が含まれる可能性もあり得るのです。)基準値の範囲ではあるけれど、いつも基準値の下限ギリギリなのに今回はいきなり上限になった(逆も然り)など、変化に気づければ、将来病気につながる可能性のある食生活や生活習慣の改善を見直す必要性にいち早く気づけるかもしれません。ここ数年当院の健康診断のノベルティをクリアファイルにしている理由も、健康診断の結果をファイリングして経過を追って見られるようにという狙いがあるためです。
今年も、病気が発見された子の中には、血液検査だけで判断をしていたら見逃されていた可能性がとても高い病気がありました。 その中でも毎年必ずと言って良いほど発見されるものが膀胱結石や胆嚢の異常(胆石症)、脾臓の腫瘍などです。
これらの病気は末期にならないと血液検査で気づくことができません。このような病気をいち早く発見するために春の健康診断の予約特典として膀胱(簡易)エコーを無料でつけているのです。(基本的に無料範囲が膀胱部分のみなのですが、ついでに院長はそのほかの部分も見てくれています。)せっかくなら血液検査だけでなく、是非ともエコー検査も一緒に行ってほしい・・という思いからつけているイチオシの特典でした。
早期に発見できれば、手術までの時間に比較的余裕ができるため、心の準備や手術日程も調整しやすくご家族の方も心を落ち着けて手術に送り出すことができるはずです。症例によっては手術までの間、投薬を行ったり栄養面でも身体の状態を整える期間に充てることができます。
このように、年1〜2回の健康診断は、獣医療に携わるものとしてとてもお勧めできるものではあるのですが、どこまでの熱量で推奨して良いのかという加減にはいつも悩みをもっています。
ここからは私一個人の胸の内なので、病院のブログとしてこの場で曝け出して良いのかとも思うのですが、
どんなに良いものであっても、過干渉に思われてしまったり正しく伝えられなければ、お勧めすることで逆に嫌厭されてしまうこともあるだろうな・・という危惧が常に付き纏っています。このため控えめにしか伝えられず、「たとえ煙たがられたとしても、もう少し早く検査や処置してもらえるよう働きかけていたら助かったのかな。。」と悔しい気持ちになることもあるのです。
それには健康診断だけでなく、予防関連(ワクチン・寄生虫予防薬、避妊去勢手術)、処方食、薬の飲み方(特に抗生剤・抗真菌剤)なども含まれます。
現場にいる者としては、ワクチン接種をしていなかったために感染症にかかり長期入院・治療を余儀なくされた症例や、寄生虫の予防薬を数回飲み忘れていたために感染してしまい、長いスパンで治療をする結果になってしまった例を実際身近で見ているため、同じ状態になって欲しくないという思いから、ついつい強く言いたくなってしまうところもあるのです。
限られた診察時間の中での説明になるので、正しく伝わらないこともあるかもしれませんが、動物病院含め、各フードやお薬・ワクチンメーカーさんのベースにあるのは、『動物たちや飼い主さんたちが少しでも長く笑顔で幸せに一緒にいることができますように』という“想い”です。(少なくとも、当院に来てくださっているメーカーさんは我々の意見や悩みを聞いて改善に向け動いてくれようという姿勢でいてくださっています。 ←飼い主様の声や我々の声をメモして社内で議題に上がるようにしてくれたり、疑問について早いレスポンスで真摯に回答してくださいます。) 全ての人がそうとは言い切れないのかもしれませんが、動物業界にいる人たちは少なからずほとんどが動物を愛する会の会員のはずです。
当院にいらっしゃる患者さんご家族は、本当に動物のことを我が子のように大切に思っている方達ばかりですので、他者に言われなくてももちろん1番にその子のことを考えていることと思います。しかし、時間的にも労力的にも経済的にもそれぞれの事情を考えなくてはいけないため、時に一番に考えてあげられないという事もきっとあるだろうな・・という気持ちも大いにわかります。(自分の実の子供でさえ、一番に考えられない時もあるのですから。)我々の助言が逆に飼い主様の負担になるような、独りよがりにならないようにしなければならない一方、最善の手を尽くしてあげたいというもどかしさがあります。
私たちはあくまでその子のことを想うご家族の〝お手伝い〟しかできません。動物たちの最後に立ち会ったとき、『病院の皆さんに尽くしてもらったおかげで』と言ってくださる方は多いですが、我々がどんなに想っていても、ご家族の方がその子のことを考えこの場所に連れてきてもらわなければ、どれだけ最高の治療法ができる体制があったとしても、それをしてあげることはできません。結局のところ、最高の治療の引き金を引けるのは飼い主様の決断あってこそなのです。
獣医療の限界、その子の生命力の限界、環境など様々な要因の限界・・
力が及ばず救えない命もありますが、どうか少しでも長く・幸せに飼い主様と動物たちが一緒に笑い合って過ごせる日々が続くよう、我々の出せる知識と経験を提供していきたいと思いますので、少しばかりうるさく感じてしまうことも受け止めてもらえたらなと思います。
2025年も!春の健康診断
今年も春の健康診断キャンペーンの季節がやってまいりました!
昨年も、ワンちゃん猫ちゃんともに約3割の子に何らかの不調や病気が見つかり、
「このタイミングで健康診断を行って良かった!!」と言える症例も多くあり、その中には即日手術となった子も複数件ありました。
以前もお話ししましたが、スタッフのワンちゃんも、病気発見の約7ヶ月前に健康診断を行なっていたのですが、プロフィール写真撮影時に流れで健康診断を行なったところ、腹腔内に腫瘍が見つかったという例があります。
幸い早期発見だったため、今はとっても元気なのですが、やはり中年齢以降の動物たちには、年2回の健康診断の大切さと、血液検査だけでなくあらゆる方面からのアプローチが大切であるということを痛感いたしました。(このときのお話は以前のブログで記載済みなので、もし良ければ読んでください^^)
年2回と聞くと多いような気もしますが、人よりも早く年を取るワンちゃん猫ちゃんにとっては、決して多すぎるわけでもないようです。
さらにポイントなのが、ワンちゃん猫ちゃんは人間のように自分の不調を言葉で訴えることができないということ。
目に見えて不調になる頃には『我慢ができないくらい』になっているので、そうなる前に気づいてあげることが大切です。
また、健康診断は〝病気を発見する〟という目的のほか、〝自分の基準値を把握する〟という意味合いもあります。
基準値というものは、統計学的に求められるのですが、例えば100人健康な人を集めて検査を行い測定した値のうち95%が属する値を基準と設定しています。
言い換えると、たとえ健康であっても5%程度は基準外になるのです。
ですから、基準値から外れたからといって、一概に健康ではない。とは言い切れないのです。
自分がその残り5%の軍であるだけなのか、本当に健康を害しているがための基準値外なのかは、総合的に・経過を見て判断する必要があります。つまり、いつもは基準値に収まっているのに、突如基準外になってしまったのか、 安定的に基準外で維持しているのか、それを判断するためには前もって自分の体を理解しておく必要があるのです。
今年はすでに花粉が飛散しているという情報もあるくらい、暖かくなるのが早いです。
お散歩やお出かけに出かけることも多くなる季節がやってきますので、ノミマダニの予防も含め、早めに健康管理をして、楽しい新年度を迎えましょう^^
やっぱり早期の健康診断
※こちらは春に作成していた記事となります。なんだかんだでアップしそびれていました・・・・・。
↓
↓
1年で一番力を入れている春の健康診断キャンペーンは無事先日終わりを迎えました。
毎年恒例でチェックしてくださっている方や、フィラリアの採血ついでに今回初めて健康診断された方など様々でしたが、今年の健康診断では本当に多くの病気・異常が早期に発見され、健康診断を勧めてよかった!!という症例が相次ぎました。
《こちらの記事では以下腫瘍のお写真などを掲載しております。苦手な方はご注意ください。》
中でも、以前から皆さんに注意を呼びかけている脾臓の異常(病気が進行してからでないと、症状として現れにくい/血液検査上で異常が発見されにくい)が7件ほど見つかりました。
そのどれもが、全く症状がなく、たまたま健康診断の時に発見されたのです。
しかも、予約特典で行っているエコー検査での発見です。(予約特典は〝膀胱〟のエコー検査となっていますが、院長はついでに脾臓もチェックしてくれることがあり、全てそれで見つかっています。)
とあるわんちゃんの場合は、キャンペーン期間中にお泊まり依頼があり、ついでに健康診断のコースも行うとの流れで検査を一通り行った結果、発見されました。
小さいお子様もいらっしゃるご家庭のわんちゃんで、普段はお父様が病院に連れていらっしゃるのですが、今回健康診断で発見されなければお父様不在時に脾臓の腫瘍が破裂し、大変なことになっていた可能性も高く、このタイミングで健康診断をお勧めしてよかった!という事例となりました。(夜間に緊急事態があった時など、お子さんをどうするかで悩まれる方は多いはずです)
実はスタッフのわんちゃんも脾臓の腫瘍が見つかったのですが、それはスタッフプロフィール写真を撮るために連れてきてもらった際、ついでに健康診断もしていこうかな・・・と行い、見つかったものでした。
こちらも血液検査上は全く異常がなく、もちろん臨床症状(側から見ていて気がつくような症状)もありませんでした。
院長がエコーを当てている際に発見し、その日のうちに手術を行うことができました。
スタッフのわんちゃんは7ヶ月ほど前にも健康診断として血液検査・エコー検査を行っていましたが、その時はどちらも異常がなく、おそらくその腫瘍はそれ以降、その7ヶ月の期間にできた腫瘍と思われます。
これを考えると、やはり動物は(年齢にもよりますが)最低年2回の健康診断を!というのもますます頷けます。
ちなみに、スタッフのわんちゃんは隣接していた肝臓も病理検査に提出しましたが、肝臓も血液検査上は全く問題のない数値だったものの、病理検査では慢性肝炎との診断が出ました。肝臓も沈黙の臓器と言われるだけあり、血液検査だけで100%評価することができないということを改めて認識させられました。
脾臓の腫瘍は血腫・結節性過形成・血管肉腫・肥満細胞腫・悪性リンパ腫などなど良性のものから悪性のものまで原因は様々です。
取り切ればそれで大丈夫というものもありますし、取り切った後もその後の治療が必要なものまであります。
たまに耳にする「毎年健康診断はしていたのだけど、異常が見落とされていた。」という例では、内容を聞いてみると血液検査の項目数がとても少なく、確かに価格として安価ではあるけれども、その分見ている範囲が少ないために病気の発見を逃してしまっていたという問題があります。
せっかく健康診断を行ったのに、中途半端な項目しか見られない、チェックした項目をどう捉え、今後どのようなことに注意していくことが大切なのか理解できなかったとなると、健康診断を行った意味が薄れてしまいます。
仮にフルセットで血液検査を調べていて、数値上問題がないとしても、それが100%病気がないと言い切ることはできません。
数値上問題がないというだけなので、数値として表れない病気にどのようなものがあるか、血液検査だけでなくどのような検査まで行うとそのわからない部分まで評価できるのか、健康診断を行った数日後に突然病気を発症する可能性もあるということを念頭に置いて結果を捉えなければなりません。
健康診断を行ったら、ぜひ「半年後はどこまでチェックしてもらおうか」もセットでご相談されてもいいと思います^^
春の健康診断で秋に使えるクーポンをお配りしているのもそのためです♪ ぜひご活用ください。
病気に休みはない
当院で最近導入した最先端の医療機器IMAGYST(イマジスト)は、AI技術を応用した血液塗沫検査および細胞診の検査システムを搭載した機械です。
今まで、外注検査による細胞診は、検査結果が出るまでに数日~1週間程度(今のようにお盆やお正月、GWなど、長期連休がある場合はそれ以上)の日数を要していましたが、ベトスキャン イマジストは、スキャンした細胞診標本の画像データが世界各国の獣医病理学専門医により最短2時間で診断されるため、検査結果のレポートが早ければ当日中に届くので、早期診断・早期治療を開始することが可能となりました。
〝病気に休みはない〟という当院の考えにもマッチしており、結果が出るまでに過ごさなければいけない不安な期間を大幅に短縮できるという点で、とても良い検査機器であると思います。
導入してから、早速癌診断を受けた患者様がいらっしゃましたが、数時間で診断が下り、次の日には抗がん剤の治療を開始することができました。
当院が導入した時点で、こちらの機械はまだ全国で10台しかないとのことでした。
患者様ご家族の不安な時間が少しでも短縮され、いち早く治療を開始し、元気な日々を取り戻すことができますよう、この機械が活躍できればと期待しております。
狂犬病予防接種の季節
狂犬病の予防接種は年1回と決められていますが、厚生労働省では狂犬病予防接種期間として4月〜6月に接種することが勧められております。(この期間、体調が思わしくない方は遅れて接種したり、持病のために接種が困難な場合は代わりに猶予証明書という書類を発行してもらいます。)
狂犬病の予防は、人の命を守ることにつながるため、わんちゃんを飼われている方は特別な理由がない限り(命に関わる体調不良等)必ず行うものなので、春先は獣医師が各地域を周り集合注射を行っています。
院長も4月は病院を休診にし、数日集合注射に行っていたのですが、先日ようやく終了いたしました。
私自身一度集合注射の様子を見たいと思っていたので、明石台付近が集合注射の会場になった日に、ちらりと覗きに行ってみました。
私が覗きに行ったのは、明石台の公園脇の公民館での集合注射です。
公民館近くの公園は、桜の木がたくさんあって、もうだいぶ散っていましたが、お花見にはもってこいの公園でした。
桜とわんちゃんの組み合わせは案の定とっても可愛いです。
もう少しだけでも開花状況がズレていたら、満開の中での狂犬病予防接種日になったことでしょう。
ワクチン接種後は激しい運動は避けた方が良いのですが、この日は日差しも強すぎず、お散歩日和な1日でした。
きっと、いらっしゃったワンちゃんたちはまさかお注射のためのお出かけだとは思わず、ただのお散歩だと思ってお家を出てきたことでしょう。
こちら↓は可愛いお洋服とお帽子をつけて集合注射にいらっしゃったキャバリアさんです!
ベンチの上でお写真を撮られていたところだったのですが、私も撮影させていただきました。
予防接種後、逃走しようとしているワンちゃんもいらっしゃいました。
一緒にいらっしゃったパグさんは、『も〜逃げちゃダメでしょー』とでも言っているかのようです。
1つの会場につき約30分ほどの時間が設けられています。
この接種会場での集合注射が終わると、獣医師・動物看護師・役所のスタッフさんたちと一斉に車移動し次の会場へと向かっていきます。
せっかくなので私ももう一会場覗いて見たいなと思い、図々しくも勝手についていきました。。
次の会場はあけの平です。
それぞれの会場で来場スタイル(?)が異なり、駐車場が全くなく、全ての方が歩きで来るところもあれば、会場に駐車スペースがあるのでお車でいらっしゃることができる会場もあります。
公園近くの公民館でのお注射は、比較的まばらに来場されている印象でしたが、こちらのあけの平の会場は時間にはすでに行列ができており、開始とともに次々と順番に接種されていました。
狂犬病という病気は、日本でこそ馴染みがないですが、世界中で多くの人が亡くなっている恐ろしい病気です。
発症してしまった場合、ほぼ100%死亡し、その亡くなる過程も悲惨な病気でありますため、わんちゃんを飼われている方は接種漏れがないよう毎年忘れずに接種してくださいね。
集合接種の機会を逃してしまった!という方は、接種できる動物病院に来院し予防をお願いいたします。
イチオシクーポン
まだ少し健康診断がらみのお話をしようかなと思います。
毎年受けてくださっている方はご存知かと思いますが、当院では春の健康診断キャンペーンで〝秋に使えるクーポン〟をお渡ししています。(←これが私のイチオシ特典です)
コースによりクーポンの内容が変わるのですが、春の健康診断から半年経つことと、秋という季節の変わり目で体調を崩しやすい季節ということもあり、今一度健康について意識を向いてほしいという思いからお配りしているものです。
実際、「今現在症状はないけれど、春にもらったクーポンがあるから使ってみよう」とエコー検査を受けて、早期に病気を発見できている方が毎年とても多いように思います。
多くは、よく話題に上る脾臓の腫瘍、そして肝臓の腫瘍です。
どちらも沈黙の臓器と言われ、血液検査上異常が出るのはだいぶ病気が進行してからです。(沈黙の臓器はあと1つ腎臓も!)
血液検査だけで判断するのではなく、エコーも当ててしっかり臓器の状態を把握してほしいと思っています。当院で春に予約特典としてエコー検査をしているのはそのためです。膀胱エコーの特典とは言っていますが、院長は必要に応じてついでに他の臓器もチェックしてくれています。(秋に使えるクーポンのエコー検査は気になる臓器を自由に選んでいただけます。)
エコー検査は痛みがなく、結果が出るまでに長時間待たなければならない検査でもないですし、動物への身体的負担がないことから気軽に受けてほしい検査です。
血液検査・エコー検査・レントゲン検査と、検査も様々ありますが、それぞれにより得意とする臓器・病気があるので、あらゆる方面から総合的に判断することが大切です。
健康診断の意味は、〝症状として現れる前に病気を発見しよう〟というところにあるので、この機会に今まで気になっていなかったところを調べてみるというのもいかがでしょうか。
以下、脾臓の腫瘍・肝臓の腫瘍のお写真をアップしています。
苦手な方はご注意ください。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
□肝臓の腫瘍。片方の外側がボコボコとした見た目になっています。こちらは肝臓の悪性腫瘍だったのですが、この状態になっても、血液検査上は正常値だったのです・・・。
しかし、もしエコーをあてていたらすぐ異常に気がつくことができるでしょう。
□さらに、こちらは脾臓の腫瘍です。
脾臓は、古くなった赤血球を壊したり、新しい血液を貯めるなどの役割を果たしているのですが、この状態ではまだ貧血などの症状も出ておらず、血液検査上の異常も明らかなものは出ていません。
「おしっこが出づらくて・・」や、「息切れするんです」、「よく吐くんです」といった症状があれば、疑わしい臓器をピンポイントで診にいくことはできますが、このように見た目は派手なのに息を潜めている病気もあるので、何かのついでに、訴えがなくてもチェックしても良いと思います。
これが私のイチオシの秋に使えるクーポンが誕生した由来です。
今回このクーポンをゲットできた方は、ぜひ秋まで取っておいて使ってくださいね!
〜おまけ〜
さらに今回の健診では、犬しっかりコースの予約特典に心電図検査が付いてきますが、この心電図検査は、マットの上に乗るだけで検査ができるものですので、従来の心電図検査よりだいぶ負担が少なくなります。
嫌がってパタパタ動いてしまう子の場合は正しく検査できないのですが、マットに乗るだけなので、猫ちゃんにもおすすめの検査です。
猫ちゃんの肥大型心筋症という病気は、幼少期から発症するケースもあり、症状として現れていなくても、持病としてもっていると言う場合も15%前後の確率でいらっしゃいます。
こちらもぜひ健康診断に来たついでに受けてみるのもお勧めです。
ワクチンアレルギー
春健康診断キャンペーンは、ご予約開始とともにお電話・LINEでのお問い合わせが多数寄せられました!
当院オリジナルノベルティ(画伯ファイル)もすでに残り半数を切りました☆
画伯ファイルを狙っている・・という方はお早めに(笑)
初日に予約のお問い合わせが集中すると思うので、この後の予約の埋まり方はゆっくりかと思いますが、飛び入り健康診断の方にも3月1日からお配りしていくのでおそらくすぐに数量に達してしまうと思います。
※ちなみに、当院の電話は話中の場合でもツーツー音が鳴りません!受話されない時は話し中の可能性が高いので、時間を置いてから再度おかけ直しください。
LINEでも健康診断のご予約はできますが、診療に携わっているため通知を切っておりますので、確認するまでにお時間をいただいております。また、木曜日にご予約をお入れする際は、木曜日の申し込みテンプレートに従ってご連絡ください!(※木曜日のご予約は、文頭は必ず【木曜午前予約診療】とお付けください。)
さて、春は健康診断!の季節ですが、同時に狂犬病だったりフィラリア予防だったりと、全体的に〝予防シーズン”であります。
健康診断に来たついで、狂犬病の予防接種や混合ワクチンを接種するご予定の方も多くいらっしゃいます。
かねてより、予防接種にいらっしゃるという方にはご案内をしているのですが、予防接種で受診される際は、できれば午前中か午後の早いお時間をお勧めしております。
その理由を以下にご紹介いたしますね!
↓
↓
こちらは先日ワクチン接種にいらっしゃった、可愛いシェルティとポメラニアンのミックスさん。子犬さんの頃は、免疫を上げるため、初年度は複数回接種することが一般的ですが、この子もこの日が2回目のワクチン接種でした。
初めましての子で、スタッフとも、この子が帰られた後も『可愛かったね〜』と言っていたのですが、お昼の手術の時間にご連絡があり、再度ご来院されたのです。
いらっしゃった時の状態がこちらです。
↓
↓
↓
お顔が腫れて、パンパンになってしまっています(特に上のまぶたのフチが赤くなり腫れて重そうになっています)。
ワクチンアレルギーの状態です。
この子は一度お預かりをさせていただき、処置をし、夕方には無事状態も安定したためお迎えに来ていただきました。
お帰りの時のお顔はこちら。
↓
すっかり元通りです。
ワクチンアレルギーは、いつどのタイミングで発生するのか不明確です。初めてのワクチンで発生してしまう子もいれば、2回目、3回目、1年後、2年後になる可能性もあります。
このため、アレルギー反応が起こっても動物病院を受診できる時間帯でのワクチン接種をお勧めしています。
病院の終了間際に接種して、帰宅してからアレルギー反応→かかりつけの病院に電話しても繋がらない、夜間救急もやっていない時間帯、夜間救急に行くまでにとても時間がかかる・・などですと、状態も悪くなってしまいます。
(当院は時間外になると院外でも繋がるように携帯電話に転送しているので、病院の電話番号にかけていただいてもお電話はつながります。)
幸い、こちらのワンちゃんは午前中にワクチンを接種してくださったので早急な対処をすることができました。
ところで、このようにワクチン接種でアレルギーが出てしまった子は、今後どうすれば良いのでしょう? アレルギーが出る心配があるからと、以降のワクチン接種を全く控えてしまうと、今度は感染症にかかってしまい命を落としてしまう危険性があります。
ワクチンアレルギーを発症してしまった子に対しては、ワクチンを接種する前にアレルギーを抑えるような処置をしてから接種をする。あるいは定期的なワクチン接種の前に抗体価検査を行い、抗体価が下がった時だけワクチン接種を行うようにします。
よく、『海外では◯年に1度のワクチン接種になっているけど、うちの子もそれで良いんじゃないの?』というご相談をいただくこともありますが、そこは半年から1年ごとに抗体価検査を行い、抗体価を確認した上で接種時期を決定していくということになります(その結果として2年に1回の接種になる子がいたり、3年に1回でも大丈夫だった子がいたりします)。
すべての子が数年おきの接種でOKというわけではなく、体質や予防したい病気によっては1年で抗体価が切れてしまうものもあるため、抗体価検査をせずにワクチン接種の間隔だけを安易に空けてしまうのは危険なことです。
特にワクチンに対してアレルギーがあったわけでないという子も、飼い主さんがワクチン接種自体に抵抗があるという場合、抗体価検査してから接種するという流れをとることもございますが、日本の動物病院では現状1年ごとのワクチン接種が多くなっております。
その理由はなぜでしょう?
例えば5種ワクチンを接種していたワンちゃんに対して、1年後ワクチンの追加接種を検討するために抗体価を検査した場合を考えてみます。
このとき5種ワクチンに含まれる5種類の病気に対する抗体価を検査した結果、うち2項目が病気を予防するのには足りない抗体価を示したとします。
この場合、本来その足りなかった2項目だけを追加接種すれば良い。と考えるのですが、残念ながら1種類ずつ(バラで)接種できるワクチンが存在しないため、「抗体価が足りない部分だけ足す」といった接種方法が選択できません。(※例外として、過去に1種ワクチン(犬パラインフルエンザ)、2種ワクチン(犬ジステンパー+犬パルボウイルス)がありましたが、現在でも流通しているかは確認できていません。)
そのため、この子の病気を予防するためには抗体価が十分な項目を含めて結果的に5種混合ワクチンを接種することになるのです。
また、多くの場合、検査のために採血→さらに必要性があった場合は再来院してワクチン接種という流れが、ワンちゃんや猫ちゃんに立て続けに怖い思いをさせてしまうこと、抗体価検査は採血による負担だけではなくコストもかかる(ワクチン接種よりも高額になるケースもあります)などの理由から結果的に定期接種の決断をされる方がほとんどかなという印象です。
抗体価検査が大切なのはいうまでもないのですが、現状ではまだ一般的と言えるまでには至っていない印象があります。
ワクチンアレルギーは、どのタイミングで発症するか不明確と冒頭に書きましたが、ワクチンの種類や犬種などにより発症しやすさに差はありますので、ご心配な際はその子の生活環境・ライフスタイルをお伝えいただき、都度ご相談いただければと思います。
健康診断
前回の記事で、“この時期から春の健康診断のことを考えている”と書きましたが、
健康診断といえば、院長も先月健康診断を受けてきました。
院長も年齢的に40近くなり、ここ最近は睡眠時間も極端に少なくなり、身体にもだいぶ無理がきているような生活スタイルのため(診療ではなく、地獄の事務仕事が膨大で苦しんでいるようです)、今回は信頼できる医師の方におすすめしてもらった健康診断コースをしっかりと行ってきました。
いつもの簡易的な血液検査・身体検査だけでなく、院長の家系や、生活スタイル、食生活、普段の気になる点をお伝えして、おすすめのコースを提示してもらったのですが、
これはわんちゃん・猫ちゃんの健康診断にも当てはまるところで、
『健康診断を受けた方がいいかなと思っているのだけれど、どこまでやったらいいのかわからない。』というときは、
目安として、年齢・家系(品種)・生活スタイル・食生活などに加えて、普段の気になる症状を考慮してコースを選ぶようにしましょう。
血液検査の項目数や、その他の検査(エコー・レントゲン・糞便検査や尿検査など)の必要性や、それらの組み合わせに迷う時はお気軽にご相談ください!
例えば、高齢のチワワさんということであれば、一般的な血液検査の他に心臓の検査や歯のチェックをしてみるのもいいですし、
猫ちゃんであれば若くても膀胱にトラブルを抱えている子は多いので尿検査をしても良いと思います。
最近食べる量は変わっていないのに、どんどん体重が増えてきている/痩せてきているという場合は、内分泌系の検査をした方が良い場合があります。
そして、一番大切なことは、健康診断を受けて終わり。なのではなく、それにより分かったことを元に、どう過ごしていくか。がとても重要です。
ちなみに今回、院長は胆嚢にポリープが発見されたことと、コレステロールや糖に関する数値が”経過を追う必要“があるとのことだったため、健康診断のコースを勧めてくれた信頼できる医師の方に、その後相談に乗っていただける病院を紹介してもらいました。
コレステロールや糖などは、やはり食事療法からアドバイスを受けるのですが、院長の生活スタイルからなかなか正しい食生活を送ることが難しいので、そのライフスタイルを含めて相談をし、結果的にお薬をスタートすることになりました。
(食事を作ってもそもそも食べる時間がないとかで夜遅くまで飲まず食わずでいられることもあるので、「あなたなんてどうせご飯まともに食べられないんだから、さっさと薬飲み始めてればいいんだよ!!」という妻の意向(暴言)をそのまま医師の先生に伝えてお薬出してもらったそうです(笑) 先生、笑ってたって^^;)
まだまだ健康診断の時期までは数ヶ月ありますが、院長が健康診断を受けてきたことと、すでに私の頭の中は春の健康診断のことでいっぱいだったため、この度話題にさせていただきました。ノベルティ含め、みなさんにとって「受けて良かった!」と思える、より良い健康診断の内容を考えていますので、ご期待ください。(何気にノベルティには力を入れてるのですが素材の採掘に苦難しています・・。)
※筆が遅すぎてこの記事アップするのに1ヶ月近くかかってしまいました。。もう今日は大晦日ですね・・・。
良いお年をお迎えください。
【おまけ】
2023年は卯年だったためか?? 多産の年でした!!!
特に人の方では、お世話になっている方や患者さんで出産ラッシュ!(これから生まれる予定という方もまだまだいらっしゃいます。)
知り合いの知り合いも出産ラッシュと聞くので、把握している以上にたくさんの赤ちゃんが産まれたみたいです。
こちら↓は病院で帝王切開にて産まれたベビーたち。
来年の辰年は何か大きく成長できる年になれるかな???
無口な脾臓
ようやく肌寒さが感じられる朝晩となってきましたね!
それでも今年の秋冬はまだまだ暑い日が続くとか・・・しばらくは暑さへの対策等に注意が必要です。(今日は涼しいかな?という時が油断しがちで危険です。閉め切った車内でのお留守番等はまだまだ控えるようにしましょう!)
さて、今日から10月。春の健康診断から半年ほど過ぎたということで秋の健康診断キャンペーンが行われます。
当院では人間よりも早く歳をとる動物たちには年に2回の健康診断を!とおすすめしています。
春先に健康診断を行ったばかりで、そんなに年2回も必要ないんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、何気に毎年この秋の健康診断を利用して、思いがけず早期に病気を発見されている例が少なくないのです。
傾向として、春にお配りしたエコー検査無料クーポン(しっかりコースとほどほどコースの方にお配りしています。)を、「症状は何もなく元気だけど、せっかくだから使おうかな・・」とご使用されて、臓器に怪しい影を見つける・・という流れが多いため、血液検査と同時にエコー検査を受けることをおすすめします。
症状が全くなくても100%健康とは言えないのはもちろん、血液検査の結果だけでも全身100%健康だと過信してはいけないということが秋の健康診断で痛感する機会がよくあります。
当院では春の健康診断の予約特典として膀胱のエコー検査を無料で行っておりましたので、秋に無料券を使用していただければエコー検査も年2回無料で行えるように組まれています。
具合が悪くなってから受診して→病気が発見されて→手術・・では、麻酔をかけての処置も状態の良い時に比べてだいぶ負担がかかりますし、回復にも時間がかかってしまいます。
少しでも体が元気なうちに病気を発見して治療することで早期回復に繋げることができます。
「沈黙の臓器」といって、病気が進行してからでないと症状が表れにくい臓器には、肝臓・腎臓・脾臓などがありますが、今回ご紹介するのは脾臓です。
沈黙の臓器の中でも特に症状がわかりづらく血液検査上でも異常を検知しにくい臓器が脾臓で、普段は血液の貯蔵や造血、抗体の産生などの免疫に関わっている臓器です。膀胱など、他の臓器の検査ついでに院長にチェックしてもらったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?コチラから常に疑って病気を探しに行かないと病気の存在に気づきにくいのが脾臓という臓器なのです。
この先に臓器の写真が続きますので、苦手な方はご注意ください。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
コチラ↑はつい先日手術で摘出した脾臓でした。春にもエコーはしていて異常なく、この半年の間にできていた腫瘍のようです。
これが、症状が出るくらいまで進行してしまうとこのような状態になってしまいます。
↓
さらに進行すると、この腫瘍が大きくなり過ぎて脾臓が破裂し、お腹の中で大出血を起こしてしまいます。
脾臓の腫瘍は、進行により腫瘍が巨大化してくるため、これにより胃が圧迫され食欲低下の症状が出たり、貧血の症状が出てくるのですが、血液検査で異常値として現れるのはだいぶ進行してからが多いです。
高齢の子の場合、何かと「歳だからかな?」で様子を見てしまい、進行後しばらく経ってからようやく病気に気づくことも多いので気をつけなければなりません。
脾臓の腫瘍は決して珍しい病気ではなく、今回アップしたもの以外にも多くあります。(データを探し出せたのが取り急ぎ4枚でした。)
そのほとんどがほぼ無症状。血液検査上も異常という異常が出ていないものでした。
今回の記事では沈黙の臓器として脾臓をとりあげてみましたが、このほかにも病気が進行しないと気づきにくい肝臓・腎臓、歳をとってくると異常が出てくる内分泌、病気という位置付けではないかもしれませんが、高齢の子でありがちな関節炎(猫ちゃんの場合ほぼ100%関節炎もちと言われています。)は、早めに対処することで寿命やQOL(生活の質:Quality Of Life)の向上に繋がりますので、この機会にお気軽にご相談いただければと思います。
狂犬病は恐い!!
かいつまんで、大事なところを抜粋しました。(今回はちょっと大人向け風です)
大学時代や、毎年受けている講習などでも狂犬病について学んでいますが、狂犬病に罹った人の経過・末路はとても悲惨なものです。
“義務だから接種する”ではなく、“狂犬病を予防するため”というしっかりとした認識・目的のために、毎年必ず忘れずに接種してくださいね!(狂犬病ワクチンを打てない持病持ちの子の場合はかかりつけの病院で“猶予証明書”というものを発行してもらってくださいね。)