いろんな対策
6月の時点ですでに30度を超えてる地域もあり、今年の夏も暑くなりそうですね。
今年は3月4月の時点で早々マダニに刺されるワンちゃん・ヒト・猫ちゃんもいらっしゃったり、蚊の飛来も5月から多数見受けられ、蜂も多種目撃されていることから、虫がとても活発な印象があります。。院長もすでに蚊に何ヶ所か刺されて腫れています。
我が家の子供たちが言うには、オオスズメバチも見かけたとのこと。自宅に蟻が侵入してきて大変・・というお話も多く聞かれます。。
東北でも毎年これだけ暑くなっていると、ゴ◯ブリの生息域もますます北上しているでしょうね・・・。ホームセンターなどで駆除剤などが多く見られるようになったので、もう身近な存在になってきているのでは・・と恐ろしくて仕方がありません。
暑さの対策・紫外線の対策・害虫対策と6月は色々な対策をしっかりとしていかなければなりませんね。
加えてこれからの季節、雑草対策として除草剤を撒かれる方、農作物のために農薬を散布される方も多くいらっしゃると思います。(私が軽く調べたところでは、6月が一番農薬散布されているという情報が目に入りました。)
ワンちゃんはほとんどの子が裸足でお散歩すると思いますので、そのような薬剤の皮膚からの吸収や、手足を舐めて体内に取り込んでしまうことがとても心配です。
また、農薬散布時期に脱走した猫ちゃんでは除草剤や農薬の影響からか急性腎不全になり亡くなった子もいらっしゃいますのでその点も十分ご注意ください。
色々心配事をあげてしまいましたが、これらの対策をまとめると、
■毎月のノミマダニフィラリア予防を忘れない。(←寄生虫予防)
■お散歩時は薄手のお洋服を着る(←紫外線、害虫対策。サマーカットのワンちゃんは特に!)
■お散歩から帰宅したらブラッシング(←マダニがついていたら物理的に落とす)
■手足を流水で洗う(←除草剤等の薬剤を落とす)
でしょうか。
人間も、外出する際は蚊・マダニ対策のスプレーをつける/肌を露出しない等の対策をしてくださいね!
完全室内飼いのワンちゃん猫ちゃんも、マダニだらけになってご来院される子が当院・他院共に報告されています。人の衣服に付着して家の中に持ち込まれてしまったのだと思います。室内飼いでも油断せず、予防対策をお願いします。
〜おまけのお話〜
院内には、ひまわりの好きなスタッフがいることもあり、最近はたくさんひまわりを飾っています。
ひまわりもたくさんの品種があり、一番上のお写真にあるひまわりは、マロン(内側茶色の模様のある)とモネ(薄黄色)です。
最近インスタにアップしそびれがちですが、院内のお花も載せていきますね。
マロン・モネの花瓶に一緒に入れている実のなっている蔓の植物は山帰来という植物。山帰来の根っこは生薬としても使われ、体調不良の人が山に入ってこの生薬を使って元気になって山から降りてくるという由来からこの名前がついたのだとか。このことからこの花言葉も「不屈の精神」「元気になる」だそうです。
爽やかグリーンの色合いの植物なので見ているだけで気持ちが涼しくなります^^
信頼と安全
少し前のお話になってしまいますが、ニュースで話題になっていた、サプリメント服用に伴う健康被害に関連したお話を。
院長もコレステロール値が高く、コレステロール対策のサプリメントを飲んでいた時期があるのでその報道が出始めた頃は、ドキリとしてしまいました。
院長の飲んでいたサプリメントには疑わしいとされる成分は使用されていなかったのですが、色々なサプリメントや食品に使用されているものなのでとても心配でありました。
しかし、今回の件で、私なりの視点で感じたことは、
このサプリメントが、所在の明確な製薬会社さんで作られ、量販店さんなど正規ルートで卸され、そして販売され、購入先が明らかになっているものだからこそ報告が上がったり、原因の究明に尽力してくれたり、責任を負ってくれたりという流れになっているのではないかということです。
ネット社会となった今では、簡単にサプリメントや食品がボタン一つで配送してもらうことができ、中には本来医師や獣医師の処方がなければ購入できないような薬や処方食まで見かけることもあります。
厚生労働省も注意を促していますが、個人輸入でお取り寄せできるようなものもその一つで、
一見便利そうですが、もしその商品が偽物であったり、食べたり服用して健康被害にあっても責任を負うのは自分になってしまうということだということをあまり意識して購入されている人は少ないのではないでしょうか。
過去に実店舗で販売されていたアサリやウナギでさえ偽装されていたものだったというくらい、本物でないものが紛れ込む危険性がある中で、実体が目に見えないネットのお店で販売されているフードやお薬が正しいものであるという保証はどこにもありません。
もしかしたら、別の成分で置き換えられたものかも知れませんし、保管状況もどういうところで保管されているか、わかりようもありません。もしかしたら高温多湿の環境、害虫やカビが蔓延している場所で保管されているということもあり得ないことではありません。
当院に卸されているお薬・サプリメント・フードも、業者さんが品質維持のため適正の環境で保管管理しており、実際使用された後に患者さんの治療経過がどうだったか、フレーバー錠であれば美味しく食べられたか、何か使用しているときに困ったことはないかなど都度聞いてくださいます。
こちらから飼い主さんの声を届けることもあり、要望等も聴取後にメーカーとして検証・検討してくださっています。
体に取り入れるもの、病気を治療するもの、病気を予防するものであれば、より一層信頼と安全が確保されたものを使用したいものです。
今回はしっかりしたメーカーさんでこのようなことが起こってしまいましたが、だからこそ被害が報告され、因果関係が疑われた後の被害が食い止められ、原因究明や補償等の手続きが行われることになったのではないかと思います。
このようなことを踏まえ、皆さんには流通不明確なものには十分注意していただきたいと思います。
もちろん、お知り合いへのお薬の譲渡も、授受もしてはいけません!
万が一のことがあった際に責任の所在がどこにあるのかを常に気にしてほしいなと思います。
もうすでにこの時期は全ての方がフィラリア・ノミマダニ予防のお薬投与を開始しておりますが、動物病院から処方されたものは、“その時期・その子“に処方されているものでありますので、必ず指示された用法容量で使い切ってくださいね。
年末にお口もお掃除
当院では例年6月と11月にスケーリングキャンペーンを行っており、毎回この時期をきっかけに多くの方にわんちゃん・猫ちゃんの口腔内の健康について意識してもらえています。
口臭は気になっていたけれど、なかなかお口を触らせてもらえなくてお口の中がどうなっているかわからない・・
歯周病かな?と薄々感じてはいたけれど、麻酔のリスクが怖くて決断しかねる・・
ガムやおうちの歯磨きで頑張ってみようかな・・・・・
普段、気がかりではあったけれど、色々な思いから踏ん切りがつかずに歯周病が悪化し、歯を抜かなければならないほど重度歯周病にまで進行してしまうことも少なくありません。
前の記事にも書きましたが、重度歯周病にまで進行してしまうと、歯周ポケットで増えてしまった歯周病菌によって心臓や腎臓など、全身の臓器もダメージを受けてしまいます。この全身に悪影響を及ぼす歯周病菌は歯の表面にあるものではなく、空気の触れない歯周ポケット深くにいる菌(嫌気性菌)なので、歯磨きや無麻酔での歯の処置では取り除くことができません。
重度歯周病にまで進行してしまったお口の中には、全身に悪影響を及ぼす菌が増えるだけでなく、トリコモナスという原虫もウヨウヨしていることが多々あります・・(以前の記事に動画がアップされていますのでご興味のある方は是非ご覧ください。)
その状態で、スキンシップをとると、飼い主様ご家族の健康に影響が出てくることは当然のこと。
ワンちゃん・猫ちゃんのお口の健康を守ることは、人間家族の健康維持にもつながります。
とはいえ、『歯周病の程度はどれくらいなのか、視診での評価だけでなく、検査をしてから処置を決断したい!』という方には、歯周病のリスクを測れるキットがございますので、そちらにてお調べすることも可能です。
AD plit(アドプリット)というキットなのですが、口腔内歯周病菌の活性度合いを評価できるキットとなります。
上の写真の子は歯周病リスクLevel4程度。ほぼ視診での評価と相違がないかなと思います。
今回は歯周ポケットも深くなる前に処置を検討してくださった方が多かったので、抜歯をすることなくスケーリングによって美しい歯を取り戻すことができる子が大半で嬉しく感じています。
↓写真で比べてみると、見事なビフォー/アフターになっています。
しかし、一度スケーリングを行って美しい歯を取り戻せても、毎日のケアを怠るとすぐにまた歯石は蓄積されてしまいます。(何もしないと早ければおよそ3日ほどで歯石は出来上がっていきます。)
このため、飼い主様には是非 “処置、その後” のケアを頑張っていただければと思っています。
可能であれば毎日の歯磨き・・。
とはいえ時間がなかったり、イヤイヤされてしまい、「すること自体が難しい」という場合も多いと思いますので、歯磨きガムだったり、歯磨きペーストを舐めさせる・飲み水に入れるだけのケア用品など、できる範囲のことで維持していただけると良いかと思います。
さらに
デンタルBio(ビオ)という口腔内善玉菌のサプリも使いやすくておすすめです。こちらは悪影響を及ぼす歯周病菌の増殖を抑えてくれるStreptococcus salivarius K12が含まれているタブレットで、1ヶ月継続により歯周病菌が90%近く減少するという報告があります。
歯周病菌の減少により歯垢・歯肉炎・口臭の軽減が認められています。(※デンタルビオは動物病院専用ものとなっています。)
こちらのタブレットは、早期に歯周病予防をしたい方、スケーリング後すぐから今後の口腔衛生を維持していきたい方、抜歯をしてガムなどの硬いものでのケアが難しい方に特におすすめです。
抜歯をしていなくても、スケーリングが終わってすぐはガムのような硬いもので歯を傷つけずに過ごす必要があ流ため、このようなものを使うと便利かと思います。
11月のキャンペーン中にご予約された方のスケーリングが12月もまだ多数予定されています。
皆さん綺麗なお口になって清々しく新しい年をお迎えできると良いなと思っています!
お口の中に原虫が
あっという間に11月。。
・・・・というセリフをつい先日吐いたような気がするのですが、気のせいでしょうか・・・。
1年が猛スピードで駆け抜けている気がします。
さて、11月は当院の年間キャンペーンでラストのスケーリングキャンペーンが行われます。当院に通われている方はお馴染みのキャンペーンですね。
良い歯(11.8)にかけて、そして綺麗な歯で年を越せるように。という狙いがあり11月に行っているのですが、歯周病は進行してしまうと根元の歯が溶けてしまい、スケーリング(歯石除去)をしても綺麗な歯を残してあげられない結果となってしまいます。
歯周病になりやすい犬種(チワワ・トイプードル・ダックスなどの小型犬)は特に気をつけてみてみましょう。
コチラ↑は6月のスケーリングキャンペーンで処置をした子のお写真です。
上のお写真の子は重度歯周病のため、奥の歯はほとんど抜けてしまいました。(そのためアフターのお写真がありません・・・)
下のお写真の子は歯肉炎がひどくなる前にケアに来てくれたので見事にビフォーアフターが撮れました。
ビフォーがコチラ↓
一番汚れがつきやすいとされている裂肉歯にしっかり汚れがついています。
裂肉歯は、口唇をしっかり上げないと見えにくい歯なので、汚れに気づきにくい歯でもあります。
ちなみに、スケーリングのアフターがこちら↓ 見事にピカピカな歯になりました!
表面の汚れはもちろん、大事なのは歯周ポケットの隙間にある汚れをしっかりと掻き出して綺麗にすることです。
空気に触れている部分にいる細菌よりも、空気のない環境にいる細菌(嫌気性菌といいます)が悪い影響を与えるため、麻酔をかけてしっかり処置を行うことに意味があります。
人間でも歯医者さんのウィーン!!という音には恐怖を覚えますが、わんちゃん・猫ちゃんは事情を飲み込めない分、シラフで処置が行われると一層恐怖を感じてしまいます。
また、歯周病が進行してしまうと、顎の骨が溶けて脆くなってしまうため、顎を骨折してしまったり、上顎洞から鼻の方にまで穴が貫通して鼻の方にまで炎症を起こしてしまったり、歯石を取るだけに止まらず、抜歯の後に色々な処置が必要になってしまいます。それ以前に歯周病菌が全身状態に悪影響を及ぼすため、歯周病の処置が遅くなればなるほど麻酔をかけるリスクも上がってしまいます。
毎日歯磨きをしている人間でさえ虫歯になったり歯周病になることがある中で、まして何度も歯磨きができないわんちゃんが歯周病になるリスクが高いのは当然のこと。
それでも、「何としてでも頑張って歯磨きをやらなければ!!」と無理をして行おうとすると、わんちゃん自身も“歯磨き=嫌なこと”という図が出来上がってしまうので、お家での歯磨きが難しい場合には無理をせず、歯磨きペーストを舐めてもらうところからスタートしたり、飲み水に混ぜるタイプの口腔ケア用品だったりデンタルガムを上手に使いながら、まずは無理なくできる範囲のケアを維持していくことをお勧めします。(どんなケア用品があるかは院長またはスタッフまでご相談いただければご紹介いたします)
わんちゃんの口腔内の問題は、わんちゃんだけの問題ではなく、スキンシップをとる同居のご家族様全員の健康にも影響してしまうため、この機会に今一度飼われている子のお口のチェックをしてみてください。
目の下の部分が腫れている・鼻水が多くなってきた。などの、お口以外の部分の症状も、歯の問題から発生していることがありますよ。
さて、この上下の動画は歯周病になったわんちゃんの口腔内の菌の様子です。
スクリュー状に激しく高速回転をしている螺旋菌がたくさん確認できます。
菌以外にもトリコモナスという原虫(アメーバのようなもの)が蠢いているのも確認できます。
画面中央のモコモコ動いているのがトリコモナスです。
トリコモナスは、飛沫・唾液などを介してうつりますが、モノを介してもうつりますし、水分のある場所では数日生息できる原虫です。
歯周病に罹患しているわんちゃんのお口の中からは高確率で検出されます・・・。小さいお子さんやご高齢の方など、免疫力の低下した方がご家庭にいらっしゃる場合は特に要注意です。
油断してると・・・
もう9月・・・スーパーに芋栗南瓜のお菓子が並び始めてようやく暦が秋となったことを認識しました。
フィラリア・ノミダニをシーズン予防されている方は折り返し地点になりましたね。
さて、昨年はマダニをつけてご来院される方がとても多くいらっしゃいましたが、今年は皆さん頑張って予防してくれているおかげ&暑くてお散歩自体なかなか行けていないということもあり、マダニ感染を主訴としたご来院は比較的少なめです。(話が脱線しますが、暑くてなかなかお散歩に行けないせいで、爪が伸びてしまったとのことで、爪切り要望の方は多いです!)
しかしながら、油断して飲み忘れたり、きっと大丈夫だろうと予防を怠ったりすると、今までの努力が水の泡になってしまうので頑張って予防期間を完走してくださいね!(フィラリア予防は薬の内服を1、2回忘れてしまったがために感染してしまったというお話もあります。)
また、今年の秋は暑いとの噂もあり、当初11月末または12月頭で予防期間終了を設定している方も、その時期の気温によってもう少し延長となることもありますので、ご不安な場合は予防シーズン最終月にまたご相談いただければと思います。(マダニ感染が心配なので通年予防されている方もいらっしゃいますよ!通年予防の方は初回の血液検査がなくなりますので、採血が苦手な子も通年予防にされていることもあります。)
一昔前はフィラリア症で亡くなるわんちゃんも多く、実際に私の祖父母の飼っていた犬も、スタッフのお父さんが飼っていた犬もフィラリア症が原因で亡くなっています。思い返せば、私の幼少期に近所にいたわんちゃんも乾いた咳をしていたので、今考えるとフィラリア症だった可能性が高いと思います。
近年ではわんちゃんを飼われているほとんどの方が予防薬を飲ませてくれているのでフィラリア症を診断することも少なくなりましたが、それは飼い主様の継続した努力の賜物で、決してフィラリアが少なくなったわけではありません。
毎年1回、予防薬処方の前に血液検査によりフィラリアに感染していないかをチェックしますが、なぜ毎年検査が必要かというと、フィラリアに感染した状態でお薬を飲んでしまうと、フィラリア幼虫が大量に死滅することでショック状態に陥ってしまったり、死骸が血管に詰まることで重篤な状態に陥ってしまうためです。
血管は出口がないので、お腹の虫のように駆虫薬で殺して体の外に出す・・ということができません。
心臓でフィラリアの虫が詰まってしまうと心筋梗塞に、足先の血管で詰まるとそこから先が麻痺してしまいます。
フィラリア検査では、キットによる抗原検査と、顕微鏡目視によるミクロフィラリア(フィラリアの子虫)のダブルチェックをしています。
上↑の白いキットは雌のフィラリア成虫から出される抗原を検出しているのですが、まれに血液中にフィラリア雄しかいなかった場合や、幼虫しかいなかった際は陰性判定となってしまいます。
フィラリアは5〜6ヶ月かけて成虫となり子虫を産むようになるので、まだ成虫がいない段階での感染を発見するために顕微鏡による目視で子虫のチェックを行います。
こちらの動画は、血液中にいるミクロフィラリア。小さな細長い虫が蠢いているのが確認できます。
↑のミクロフィラリア陽性の子は、フィラリア予防をしておらず、重度のフィラリア症となりご来院されました。
心臓のエコーでも、フィラリア成虫がたくさん寄生している様子が映し出されていました。
フィラリア成虫の特徴的な超音波所見は、数学の等号である🟰に似ていることからイコールサインと呼ばれています。
フィラリア陽性となってしまった場合、毎月の投薬により、フィラリア成虫を数年かけて、ちょっとずつ・・ジワリジワリと死滅させていくのですが、残念ながら今回の重度フィラリア症でご来院されたわんちゃんは残念ながら初回来院後まもなく亡くなってしまいました。
狂犬病と同じく、その病気に罹患する子が周りから少なくなると、身近に感じられなくなり「本当に予防する意味があるのかな?」と危機感が薄れていくこともあるかもしれませんが、皆さんがしっかり予防しているからこそ防げている病気ですので、油断することなく毎月の予防を続けていただければと思います。
バスに乗ってやってくる
今日は病院の裏話的な話題を。。
根拠や有意差があるお話ではない、私の体感的なお話なので、聞き流す程度でお読みいただければと思います^^
(取り留めもなく書いているので文章がメチャクチャで読みづらいのですが・・・)
当院のLINEをご登録いただいている方は、よく“緊急手術のため・・”という急な受付終了のお知らせを受け取ることがあるかと思いますが、この緊急手術の中によくある症例が子宮蓄膿症という、子宮に膿が溜まってしまう病気です。
この病気は、避妊手術をしていない6歳以降の子で、発情後2ヶ月の間に起こりやすく、陰部から膿が出ている場合は飼い主さんが異常に気づきやすいため、比較的状態が悪くなる前にご来院されることが多いのですが、膿が排出されていない場合、何となく元気がない・食欲がないというまま数日経過することが多く、病院に来る頃には全身状態が悪くなっていたということも少なくありません。
この病気は伝染するものではないのですが、なぜか短期間の間に続くことがある病気で、
外耳炎や尿路疾患なら、伝染性ではないにしても、何となく季節性(気温や湿度)の影響も強いので症例が続いても納得できるのですが、個々のホルモンバランスが影響するこの病気がなぜか続いてしまうことがとても不思議です。
お盆前にも子宮蓄膿症の症例が相次ぎ、急な手術となった子がいらっしゃいました。(うち一件は、同居の子も数日前この病気になり他院で手術されていたそうです。なのでほぼ同期間に当院だけで3件把握している症例です)
この先に膿でパンパンになった子宮のお写真がアップされています。
苦手な方はご注意ください。
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↓
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(Before・Afterがないのですが、本来の子宮はもっと細いです。)
さらに異物の誤飲により腸閉塞となり緊急手術になることも多く、これもどういうわけかよく続きます。(緊急手術のため・・は大体子宮蓄膿症か異物除去手術が大半を占めています。)
普段の診療においても、“前日は「間違って休診案内しちゃったのかな?」というほど空いていたのに、今日は激混み・・・”や、
午前あれほど混雑していたのに午後は“世の中から人がいなくなってしまったのかというほど静か・・”ということが起こるので、お問合せによくある『土日って混みますか?』『平日だと待ち時間少ないですか?』になかなか答えづらいところがあるのです。
お電話で『今空いてますか?』のお問合せに対し、『今なら空いています!!』とお答えした直後、一度に3件〜5件受付があり、結果「問合せした時には空いていると言われて来たのに混んでるやん・・・。」という状況になっているため、嘘はついていないけど、嘘をついてしまったかのような申し訳なさでいっぱいになります😭
こんなふうに、混み具合も症例もまとまってくるような傾向にあり、知り合いの先生なんかはよく『患者さんはバスに乗ってやってくる』と表現していました。
いつも通勤で同じ時間で通っている道が、今日に限って何故か混んでいる。(工事もしてないし、事故が起こっているわけでもない)/今日はみんなどこに行っちゃったの?というくらい街がとても静か・・・という現象と似ているかもしれません。
何が影響しているかは定かではありませんが、もし天気・気圧・風向き・気温などの気象条件が集団心理に大きく影響しているとしたら、統計をとってみたいと常々思っています。(誤飲が続くのも、もしかしたらその条件がおもちゃを飲み込みたい気分にさせているのか・・・そんなわけない。と思いつつも、あまりに続くことがあると疑ってしまいたくなります。 そういえば昔、院長勤務医時代に1週間の中で2〜3件も骨折の手術をしたという時期もありました。骨折も普通は続くものではないのですけれどね・・・)
この、バスに乗ってくる現象、他の医院さんは共感してくれるでしょうか?それともうちだけ??
楽しむためにもご注意を!
今日から5月!
すでにお休みを取得されてお出かけされている方も多いでしょうか??
さて、フィラリア・ノミダニの予防シーズンについに突入いたしました。お薬のご投薬がまだな方はお早めに!(フィラリアに関しては、4月末スタートの人は11月下旬、5月上旬スタートの人は12月頭まで予防期間を推奨しています。※気温や環境等により地域や年度により推奨予防期間は変わります。)
当院ではすでにマダニ・ノミをつけてご来院された患者様もチラホラいらっしゃっています💦
もしもマダニがついているところを発見したら、無理に取ろうとせず、急いで動物病院で取ってもらってくださいね。
(どうしてか?は、4月10日投稿のブログにアップしています。)
※お薬を飲んでいる方は、マダニに噛まれても自然に脱落します。
そしてワンちゃん連れでお出かけされる方にぜひ注意していただきたいのが、車での移動中の事故。
当院でも過去“急ブレーキの際に、弾みでワンちゃんが飛んでいってしまい、肺挫傷により瀕死の状態で運ばれてきた。”という事例がありました。その子は奇跡的に助かりましたが、生死を彷徨うほどの重体だったため、このブログを読まれた方には、ワンちゃんにもシートベルトの着用をぜひお願いしたいと思います。(胴輪につけるワンちゃん用シートベルトや、BOXタイプのワンちゃん用座席があります)
車での事故の件数・人間の負傷者数・死亡者数はニュースにもなりますが、ワンちゃん猫ちゃんの事故は報道されません。
死亡に至らないまでも、足腰を痛めてしまう場合が多いのでご注意ください。
この他注意したいのが、ロングリードの事故です。
お散歩も楽しくなってくる初夏。
ロングリードでお出かけ・お散歩中、長く使用していたために道路に飛び出して車と接触してしまった・・。
走ってきた自転車に引っかかり首が折れてしまった・・。
制止するのが間に合わず、人または相手の犬を咬んでしまった。などとトラブルが多々起こります。
伸縮リードはとても便利ですが、場所によってはすぐに対応できるよう長さを短くしてご使用くださいね!
さらにお出かけ先でのトラブルではありませんが、5月から紫外線量・気温も本格的に高くなってきます。
暑さ対策でサマーカットなどにされる方も多いのですが、皮膚を保護してくれる被毛が短くなると紫外線が直接皮膚に当たり刺激となってしまうため、毛を短くカットされたワンちゃんは、お散歩時に薄手のお洋服を一枚羽織るといいかと思います。
砂漠の住民も裸ではなく白い衣装を一枚羽織っていますよね。むしろ素肌でいるより一枚着ていた方が涼しいのです。
暑い時期は皆さん気をつけるのでそこまで多くはないのですが、ちょっと曇りの日や若干涼しい日には、油断し熱中症になるワンちゃんが多いので、よほどの冬でない限り、車内にワンちゃんを置いて行くのも厳禁です!
水分補給と換気が大切なので、お出かけ時には犬用の経口補水液的なものをご持参すると良いかと思います。(当院にもご用意がありますが、凍らせた甘酒などもミネラルが豊富でいいですね。)
短頭種の子は特に鼻が短かく口腔内の面積が狭いために、換気がうまくいかず熱が篭りやすいため熱中症になりやすいため、いっそう注意が必要です。肥満気味の子も熱を逃すことがうまくできないので、肥満気味の子もこれからの時期は要注意!
GWをきっかけとして、病気・怪我・事故に十分注意しこれからの時期を思いっきり楽しんでくださいね!
予防について詳しくなろう!
先日、予防薬セミナーが開催されました!(先日といってだいぶ経過してしまいました・・・)
毎年使っている予防薬ですが、さまざまな寄生虫をどのようにして予防しているのでしょうか?
もしかしたら普段の診察だけでは十分なご理解まで進んでいないかもしれません。
そこで今回はネクスガードシリーズのTV CMでお馴染みの日本全薬工業株式会社様とベーリンガーインゲルハイム様にお願いし、1時間ほどのセミナーを行なっていただきました。
新型コロナウイルスの感染防止も徐々に緩和されている中ですので(当院では院内において今のところ不織布マスクのご着用継続をお願いしております。ご協力をお願いいたします。)、セミナーの参加特典に加え、おやつとして、お茶やお菓子(カズノリイケダのクッキー)のご提供も行われました。
今回のセミナーで取り上げた寄生虫は、フィラリア・ノミ・マダニという、わんちゃん猫ちゃんがメインで予防している3つのものについて。
“フィラリア”は犬糸状虫という名前ですが、犬はもちろんのこと、実は猫ちゃんにも感染する寄生虫なのです。
とはいえ、今では飼育されている猫ちゃんのほとんどが室内飼い・・。「お外に出ないから、予防の必要なんて無いんじゃないの??」と思われがちですが、
野良猫ちゃんと完全室内飼いの猫ちゃんを対象とした研究によりますと、双方のフィラリア感染率に差は見られなかったということです。
それでも、なぜわんちゃんより猫ちゃんのフィラリア症について馴染みが少ないかというと、猫ちゃんの場合、フィラリアに感染しても生体反応としてフィラリアをやっつけてしまうため、検査上なかなか検出しにくいのです。
ここで、
「ーーーーーちょっと待って。生体反応でフィラリアをやっつけられるなら、薬の投与なんて要らなくない??」と思われた方がいるかもしれません。
実はこの点がポイント。
原理はアレルギー反応と似ているのですが、
いくら体内に入ってきた抗原(アレルギーの素)を自分でやっつけられたとしても、それが徐々に体の負担として蓄積し、いずれ大きなアナフィラキシー反応として重篤な状態に陥ってしまうのです。
このため、猫ちゃんの場合も、アハフィラキシー反応が出ないように投薬により予め虫の感染を防いであげる必要があるのです。
馴染みはないけれど、実はとっても大切な猫ちゃんのフィラリア予防。ぜひ猫ちゃんを飼われている飼い主さまには覚えていてほしいと思います。
わんちゃんを飼われている方には、すでにご存知の方も多いかと思いますが、
改めて、このお薬はフィラリアという虫を駆虫することで“フィラリア症”という病気を予防する薬であって、蚊に吸血される時に入ってくるフィラリアという寄生虫の“感染”を予防するものではないということを再度ご認識いただければと思います。
駆虫薬の作用機序としては、蚊の吸血により注入されたミクロフィラリアが成長する過程で駆虫してくれるというお薬なので、
わかりやすくいうと、こちらはフィラリアに対しては駆虫薬なのです。
感染していた虫をまとめて駆虫するお薬となるため、「寒くなってきて、蚊も見られないからお薬はもういらないでしょ。」ということになると、過去1ヶ月以内の間に感染していた虫を落としきれず、フィラリア症になってしまうため、せっかく7ヶ月ほど投薬していた努力が最後の1回を投薬しなかったために無駄になってしまいます。(地域・気温の推移によって予防期間は異なりますので、7ヶ月はあくまで当院の1例となります)
処方されたお薬は、飲み残し、飲み忘れのないよう、指定された期間しっかり与えて下さいね!
そして今回のセミナーでとても興味深かったお話が、ノミの実験のお話。
犬1頭にノミを100匹感染させる実験を行った後、1時間後に一体何匹のノミを発見することができるか。という実験のお話です。
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結果、発見できたのはたったの5匹。 繰り返しますが、100匹中、たったの5匹・・・・・です・・・
つまり、飼い主さんが「ノミを1匹見つけた!」という時点で、すでに犬の体にはノミの成虫が20匹も潜んでいるというわけなのです。。。
想像しただけでゾワっとするお話ですよね。しかも、ノミのライフサイクルはたったの14日。2週間ほどで卵を産んで幼虫から蛹になり成虫へと成長するため、1匹成虫を発見した時点でノミファミリーはその何十倍もお家の中(カーペットなど)やわんちゃんの体に潜んでいることになります。(ノミの成虫1匹に対して、蛹はその2倍、幼虫はその7倍、卵はその10倍の換算です。)
ノミは感染してから1〜2日ほどで産卵をスタートするので、いかに予めの、予防が大切かということがよくわかりました。
そして最後は近年大変問題視されているマダニによる感染症。
ダニを媒介として感染する病気には、バベシア症、ライム病、日本紅斑熱をはじめ、SFTS(重症熱性血小板減少症)という、血を止める働きをもつ“血小板”が減ってしまう病気があります。(症状としては他にもさまざまあります)
このSFTSが最近とても多く、しかも致死率10〜30%と大変危険な感染症として注意が必要です。
マダニから直接感染することもあれば、わんちゃん・猫ちゃんを介して感染する危険性も高いため、飼い主さん自身も草むらに入る際にはマダニに噛まれないような服装でいることが大切であり、わんちゃん猫ちゃんも毎月の予防をしっかり行うことが大切になります。
キャンプやドックランに行く方はもちろん、普段のお散歩コースがコンクリート上という方でも、ワンちゃんは脇道の臭いを嗅ぐため、頭から草むらに突っ込んでいく仕草によりマダニをつけてしまうことはとても多いです。
昨年もお散歩に出かけただけでダニをつけていらっしゃるわんちゃんが多数いらっしゃいました。
院内で捕獲されたダニをジップロックに入れておいたところ、程なくして無数の卵を産んだマダニもいて、スタッフは震え上がりました。もう魚卵が食べられなくなるくらいなビジュアルでした・・・😭
お薬の投与を行うと、効果は約1ヶ月ほど持続しますが(ノミマダニの薬効としては、フィラリアと違い予防薬という認識でOKです)、決してマダニを寄せ付けない薬ではないため、マダニが体表に乗ってしまうことはあります。
マダニが吸血を開始して動物の体内の薬の成分を取り込むことによりマダニを殺す。という機序になりますので、もし万が一体にマダニの姿を見つけても、投薬済みの方であればは慌てる必要はありません!
数時間以内に死んでポロッと死んで落下していきます。
ダニは目の縁やお顔・お耳・足の指の間など皮膚の薄い・柔らかいところを狙って噛み付いてくることが多いですが、お腹や背中にももちろん寄生します。物理的対策としてはお洋服を着せてあげたり、お散歩の帰りの入念なブラッシング等で対策してあげて下さい。
そして万が一投薬されていない方でマダニに噛まれてしまった際は、決してご自身で無理に取ろうとしないでください。
マダニの顎はノコギリのような形状になっており、噛み付いた際に分泌するセメント様物質で口をガッチリと固定され、抜こうと思っても抜けないような状態になっています。
圧をかけたり、力を加えて引っ張ってしまうと、マダニのもつ細菌やウイルスを動物に噴射してしまうことになりますし、マダニの口だけ残して傷口が化膿してしまうことになりますため、
繰り返しになりますが、マダニを見つけた場合には決して無理に取ろうとせず、動物病院へご相談ください。そして何より、予防が大切です・・・・・
動物を介するSFTS感染で多い例が、弱っていた野良猫ちゃんを捕獲して感染/弱っていた猫ちゃんを動物病院に連れて行って動物病院のスタッフが感染という例です。
予防状況の不明なお外の猫ちゃんで弱っている子を発見した際は、ゴム手袋等を装着し、感染対策もしっかりした上で保護してあげてると良いと思います。また、動物病院へ来院される際も、危険性を考慮して病院側にその旨(保護した状況)をお伝えしておくと良いですね。
と、ここまで色々な情報を一気に書き込んでしまいましたが、総括すると、
ワンちゃんも猫ちゃんも、
◎ノミ・マダニ・フィラリアのうち、どれも一度感染すると後々大変なので、予防がとても大切であること!
◎フィラリアは駆虫薬、ノミダニは予防薬という認識で!
◎与えられた期間、正しく投薬してあげることが大切!
ということです。
予防期間は、冬に差し掛かる前までとなりますので、ご家族全員で今一度病気に対する理解を深めて正しく予防をしてあげて下さいね♪
〜ちなみに・・セミナー最後に確認された大切なお話〜
フィラリア予防薬は、要指示薬となっております。(要指示医薬品は、副作用が強いもの、あるいは病原菌に対して耐性を生じやすいもの等、その使用期問中獣医師の特別の指導を必要とするものが指定されているお薬です。)
一部ネット販売などで見かけるお薬は、輸入によるものですと製品名が同じでも、“日本国内で認可されていない成分”が含まれている可能性があり、万が一その服用により中毒症状を起こしても成分が不明なため、病態把握や中毒成分を追えず対処できない可能性がございます。
農水省のHPでも注意喚起されているように、動物病院外で横行しているお薬には実態が不明なお薬がございますため、飼い主の皆様は十分お気をつけ下さい。
【おまけ】
お茶菓子のほか、セミナーでご用意いたしました特典たち。
良い歯にしよう
先日、積水ハウスさんの総合案内センターをお借りして、ビルバックジャパンさんによるデンタルセミナーを開催いたしました!!
今回も、あまり密にならないように。と、プレゼント付き企画であったことから、参加者は5組様までとさせていただきました。
ワンちゃん・猫ちゃんの歯の構造から、人との違い、口腔内の環境が全身の健康状態にどのような影響を及ぼすのか、ケアはどのようにしたらいいのかを、担当のAさんにわかりやすく説明していただきました。
参加してくださった皆さんも、質問コーナーの際に積極的に質問してくださり、ワンちゃんに対する(今回は参加された皆さんはワンちゃんの飼い主さんになりました。)愛情の深さがとても伝わってきました。
今回のプレゼントも豪華で、このためだけに参加しても良い!というくらいの内容となっていました^^
そして、この日はちょうどお昼にスケーリング(歯石除去)の処置があり、病院ではまだ若いワンちゃんの処置が行われていました。
ワンちゃん猫ちゃんの中には、成長しても乳歯が抜け切らず、残ったままになっている子もたまにいるのですが、この子も乳歯が残っていて、その部分に特に歯石が付着していました。
乳歯が残りがちな部分は、上顎の犬歯に多いのですが、この子の場合は奥の、臼歯部分の乳歯が遺残していました。
若くてもこのように汚れが付着している子は珍しくなく、
3歳以上の80%の子が歯周病などの口腔疾患に罹患していると言われているのは、およそ3日ほどで歯の汚れが歯石となってしまうからです。
毎日食後の歯磨きが難しく、さらに口腔内が歯石を作りやすい環境になっているわんちゃん猫ちゃんは、若くてもこのようにあっという間に汚れが蓄積していってしまいます。
こちらのワンちゃんは、飼い主様が早期にスケーリングを検討してくださったおかげで、重度の歯周病までには進行せず、比較的表面の歯石を削るだけで綺麗にすることができました。
これがもし歯周ポケットの奥深くまで歯周病菌に侵されてしまうと、歯槽骨といって歯の根本の骨まで溶かされてしまい、顎の骨が折れてしまったり、鼻の方にまで穴が空いてしまいます。
この子は歯石を除去するだけでなく、遺残していた乳歯も抜歯いたしました。
一緒に暮らす人間のご家族にとっても、決して良い影響が無いワンちゃんの歯周病。 全身状態に影響を及ぼす前にぜひ気にかけてあげてくださいね。
麻酔をかけての処置なので、麻酔のリスクが心配・・・という方も多くいらっしゃいますが、重度歯周病に進行してからでは処置をしようと思っても、全身状態が悪化してしまい、さらにリスクが高まってしまいます。
麻酔なしでの歯石除去を謳っている広告もたまに目にしますが、頭で状況を理解できる人間の大人でも歯医者さんの恐怖というものがある中、何もわからず処置されるワンちゃんの恐怖や不安を考えても、十分に取り除かなければならない奥深い汚れのことを考えても、意識がない中で隅々まで処置できる状態で処置してあげたほうが結果的に負担が少ないのかな。と思います。
(私はお隣のアイビー歯科クリニックさんに行くたびに、「今日痛いですか?!痛くしないで!!」と懇願しています(笑))(院長も大学病院での歯科治療の際に、いっそ全身麻酔で処置して欲しかった。という過酷な処置もあったそうです。)
とはいえ、計り知れないリスクというものがあるのでご不安なお気持ちも十分わかります。。(私もとっても心配性なので)
このため、導入してからだいぶ経ちますが、当院の麻酔器はより性能の高いものを使用し始めました。
この麻酔器、とっても大きいので、導入したことにより手術室はミチミチになってしまいましたが^^;
やはり麻酔は皆さんがご不安になる大きなところだと思いますので、導入して良かったなと思います(^^)
11月中はスケーリングキャンペーンを行っておりますが、ご自宅でケアを頑張りたい!という方は、デンタルグッズの割引も行っておりますのでぜひご利用くださいね。(LINEをご登録されている方はさらに割引率がUPします。) 大量購入されたい方は在庫がない場合がございますのであらかじめご連絡をいただければと思います。
梅雨に多い病気?!
花との思い出話の途中ですが、
ここでちょっと違うお話を。
今年は梅雨があっという間に終わっちゃったねーー!!という会話があったかと思ったら、最近また雨の日が多く。
晴れていたかと思いきや急な豪雨と雷。など、ハラハラする日もありますね。お洗濯を外干しされている方は気が気じゃないかと思います。
当院の洗濯物は基本的に室内干し(あっという間に乾きそうなお天気の時は外干し)ですが、6月7月、湿度が上がる季節は全く乾かず毎年途方に暮れています。毎回思うことですが・・乾太くん、欲しいなぁ。
さて当院におきましては、毎年梅雨時期は高確率で子宮蓄膿症の子が来院されている印象があるのですが、
今年も早々梅雨が終わったといえ、梅雨再来?と言われているここ数日、高湿度&雨の天気の日が続いておりましたら、、やはり子宮蓄膿症の子が続いてご来院されています。
気圧・湿度・気温と病気との関連性。。統計を取ったらどうなるでしょう?
私個人、統計学はとてもとても苦手なのですが(数学は得意だったのに、統計学は壊滅的でした。。)統計の計算って、できるようになったら面白いんだろうなぁ!と未だに乗り越えられなかった統計学の壁に指を咥えています。
とはいえ、命というものは神秘的なものですから、地球と繋がっている可能性は否定することはできません。統計学で有意差有りにならなくても、もしかしたらこの時期は子宮蓄膿症多いよ!という病院さんが他にもあるかもしれないですね。全国の動物病院さんにもアンケートとってみたいです^^;
子宮蓄膿症という病気は、子宮に膿が溜まる病気なので、避妊手術(子宮・卵巣摘出)を終えている子の場合、この病気にかかる可能性は0ですが、もしも避妊手術を終えていない子の場合は気を配っていただきたい病気です。
なりやすいとされている時期は、発情後1〜2ヶ月。
特に出産経験のない高齢犬は要要注意です。
(一番最後に子宮蓄膿症になったわんちゃんの摘出された子宮のお写真が載っています。苦手な方はお気をつけください。)
膣から膿が出ていれば、飼い主さんが異常に気付きやすいですが、閉塞型の場合は、子宮の中に膿が溜まり続け、子宮が破裂してしまったり、敗血症から多臓器不全に陥ってしまいます。
膿が出ていない場合、外からは明らかな異変が分かりづらいため、「ちょっと元気がないけど、この天気だし、食欲湧かないのかしら・・」と数日様子を見ていることも多い点も厄介なところ。
もしもこの病気のことを頭の片隅に置いていてもらえたら、『もしかして・・・』と病気に気付きやすいかもしれません。ぜひ覚えておいてください。
また、お願いしたいとこは、ご自宅で余っていた抗生剤などはむやみに飲ませることは避けてほしいということです。
耐性菌の問題も然り、抗生剤の取り扱いについては注意が必要で、場合によってはその使用によって細菌の細胞壁が破壊され、細菌毒素が放出されてしまうことがあるため、出された抗生剤は、出された症例に対してのみ、指示された日数を飲み切るようにお願いいたします。
余談ですが、抗生剤やその他の錠剤は、高温多湿・直射日光環境を避けて保管することをお勧めします。
冷蔵庫は庫内の場所によりますが、扉の開け閉めにより結露を生じやすい可能性があるため、薬の劣化が懸念されるためお勧めしません。(シロップや座薬など冷蔵保存を指示されているものを除いて)
来月は8月。お盆の連休をとられる動物病院さんも多いかと思いますので、異変があったらお早めに。。(なぜか病院が休みの時に限って体調を崩す・・ということもありがちなので、そうなった場合にどの病院にお世話になるか、先にチェックしておくといいですね!)
当院の8月の連休は毎年恒例で上旬に取っております。(臨時休診:8月2、3、4日) お盆期間は診療時間の変更はあるかもしれませんが、診療予定ではおります。
ただし、お盆前後は業者さんがお休みに入り、ご飯の注文は致しかねますので、できれば在庫状況を確認し、7月中にご連絡いただけると助かります。
では、飼い主さんも体調崩されませんよう、ご自愛くださいね。
↓↓子宮蓄膿症の子宮の写真があります。苦手な方はご注意ください。
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パンパンに膿が溜まっています。(これでも完全閉塞になっていなかったので溜まっている量は少ない方かな・・)