大雨・洪水の後は
昨日は突然の土砂降りで、室内で作業していた私は一瞬蛇口の栓を締め忘れたのかと思ってしまうほどでした。
まだまだ台風や大雨には注意が必要そうですね。
夕方頃のことだったので、お散歩に出かけている最中でなくて良かったと思いましたが、大雨や洪水の後のお散歩であっても注意するべきことがあります。
それはレプトスピラ症という感染症です。
レプトスピラとは、普段はネズミの腎臓などに保菌されている細菌ですが、ネズミの排尿により土壌が汚染され、土砂崩れや洪水により流れ出し、お散歩中や川遊びの犬や人に経皮・経口感染するものです。
経皮感染とは、その名の通り、皮膚から感染するものなので、靴を履いていないわんちゃん・猫ちゃんは特に感染のリスクがあります。ワクチンの種類を決めるときに、キャンプや田舎に連れて行く可能性のある方にはレプトスピラ感染症の予防も特におすすめしています。
人獣共通感染症のため、人間も川遊びや素足等で道を歩くと感染の危険性があり注意が必要です。
日下家も連休中は子供達を川遊びに連れていきましたが、連れて行く際は大雨の後でないこと・川の濁りがないことを確認してから行きました。

上の写真は、大和町にある蛇石せせらぎ公園の川の様子。今年は昨年以上に川魚がたくさん泳いでいました。
こちらの川は水深が浅く、わんちゃんや小さな子でも遊びやすいのでおすすめです。(もちろん遊んでいる間は必ずお子さんから目を離さないように。。)毎年娘のリクエストで行くのですが、今年も楽しく遊んでくることができました^^
カビ大喜び
梅雨時期から気温が上昇する夏にかけてはカビがもっとも生えやすい季節です。
カビは、皮膚病や呼吸器へ悪影響を及ぼすため、病気予防のためにできる限りカビが生えないよう環境を整える必要があります。
生活環境の湿度・温度管理はとても重要で、湿度は40〜60%、気温は18〜26度を保つことが大切です。気温は、犬種により暑がり/寒がりなわんちゃん猫ちゃんがいるので、お留守番中は温かい/涼める環境どちらも用意してあげると良いでしょう。
エアコンだけでなく、湿度や熱がこもらないよう、サーキュレーター等を活用しながら温度・湿度管理をしてあげてください。
人の方でも、この時期はマラセチア性毛包炎に注意!とニュースでも取り上げられていました。
健康なわんちゃんでも、常在としてマラセチア(酵母様真菌)は皮膚に存在しているのですが、代謝異常・内分泌異常・食物アレルギー・アトピーといった基礎疾患を抱えていると増殖し、皮膚が脂っぽくなったり痒み・赤みなどの異常を引き起こします。
人用ですとコラージュフルフルといったシャンプーが売られていますが、動物用だとマラセブシャンプー/マラセキュアシャンプーを使用している方がいらっしゃると思います。
こちらのシャンプーは確かにマラセチアによりベタベタした脂汚れをすっきりと洗い流し、抗菌・抗真菌の成分により細菌やマラセチアの増殖を抑えてくれる作用がありますが、たまに皮膚の状態が良くなってからも、「以前使っていた」という理由のみでずっと継続使用されている方がいらっしゃいます。
シャンプーといっても、抗菌・抗真菌成分を含むものですので、必要な場合以外でも安易に使い続けてしまうと、抗生剤の不適切使用と同じく薬剤耐性真菌を生み出す原因となってしまいます。(下水への垂れ流しは薬剤耐性菌・真菌の原因となリります。)
薬用シャンプーが不要となるくらい状態が良くなったら、デイリーケア用の低刺激シャンプーに切り替えてあげてください。

薬用シャンプーも、薬と同じく、症状に合わせた適切なものを適量、適切な期間(頻度)使用することが大切ですので、皮膚病の治療維持でご使用の方は、都度動物病院に相談しながらお使いいただくことをお勧めします。
その際、シャンプー剤だけでなく、是非保湿剤も合わせてご相談されると良いと思います。シャンプー後はどうしても皮脂が落とされ乾燥しがちになりますので、皮膚のバリアを失わないために保湿剤も合わせてお使いください。

ちなみに、当院ではマラセチア皮膚炎でベタベタしてしまった子のために、グルーミングのオプションとしてクマザサ温浴などもご用意しております。これからの時期、ベタベタ汚れが気になる方はシャンプー時にオプションとしてご利用できますので診察時にぜひご相談ください。
薬が効かない
今や菌に薬が効かない「ポスト抗生剤」時代に、年500万人死亡
先日こんなタイトルの記事が目に飛び込んできました。
コチラの内容につきましては、当院のインスタやブログでも度々話題として取り上げておりましたが、何度でも呼びかけていきたい内容ですので、改めてブログ記事として投稿させていただこうと思います。
当院の薬袋もリニューアルした理由としては、デザイン的な問題の他に、“お薬の使い方”に関して、皆さんにしっかりと認識してほしいからです。
特に左の黄色薬袋(内服薬用薬袋)の裏面2段目には抗生剤の注意事項について記載しています。

以前から薬剤耐性菌については警鐘されているのですが、人の方でも動物の方でも、お薬の処方時にしっかりとした説明をされることが少ないように感じます。
実際、「お家に余っている抗生剤があるから・・」と色々な方から耳にすることが度々あります。
抗生剤は細菌に対してのお薬のため、ウイルス性の病気やアレルギー疾患などには効果がなく、また少し良くなったからといって途中でやめて良いお薬でもありません。このため安易に処方されるお薬でもないですし、当然余るほど出されるお薬でも無いのです。適正量を適正期間服用しなければ、その薬に対して抵抗をもった細菌を生み出してしまう原因になってしまいます。
抵抗をもつ。ということは、お薬が効かない。ということです。
極力お薬を飲まなくて良いのであればやめてしまいたい。という気持ちもわかりますが、再度自分の免疫が落ちてお薬に頼らざるを得なくなったり、自分の身の回りの免疫力の低いお子さん・ご高齢の方、基礎疾患のある方など、大切な人が薬の力を必要とした時に使える薬剤が無いということになってしまいます。
使わないか、使い切るか。
抗生剤についてはこの2択だと思います。
抗生剤を処方された際に、しっかり処方された指示通り服用しているでしょうか?お家に余っている抗生剤はないでしょうか?
今一度お薬の使い方に関して意識を向けていただければと思います。
(NEW薬袋の裏面、是非見てくださいね。)
いろんな対策

6月の時点ですでに30度を超えてる地域もあり、今年の夏も暑くなりそうですね。
今年は3月4月の時点で早々マダニに刺されるワンちゃん・ヒト・猫ちゃんもいらっしゃったり、蚊の飛来も5月から多数見受けられ、蜂も多種目撃されていることから、虫がとても活発な印象があります。。院長もすでに蚊に何ヶ所か刺されて腫れています。
我が家の子供たちが言うには、オオスズメバチも見かけたとのこと。自宅に蟻が侵入してきて大変・・というお話も多く聞かれます。。
東北でも毎年これだけ暑くなっていると、ゴ◯ブリの生息域もますます北上しているでしょうね・・・。ホームセンターなどで駆除剤などが多く見られるようになったので、もう身近な存在になってきているのでは・・と恐ろしくて仕方がありません。
暑さの対策・紫外線の対策・害虫対策と6月は色々な対策をしっかりとしていかなければなりませんね。
加えてこれからの季節、雑草対策として除草剤を撒かれる方、農作物のために農薬を散布される方も多くいらっしゃると思います。(私が軽く調べたところでは、6月が一番農薬散布されているという情報が目に入りました。)
ワンちゃんはほとんどの子が裸足でお散歩すると思いますので、そのような薬剤の皮膚からの吸収や、手足を舐めて体内に取り込んでしまうことがとても心配です。
また、農薬散布時期に脱走した猫ちゃんでは除草剤や農薬の影響からか急性腎不全になり亡くなった子もいらっしゃいますのでその点も十分ご注意ください。
色々心配事をあげてしまいましたが、これらの対策をまとめると、
■毎月のノミマダニフィラリア予防を忘れない。(←寄生虫予防)
■お散歩時は薄手のお洋服を着る(←紫外線、害虫対策。サマーカットのワンちゃんは特に!)
■お散歩から帰宅したらブラッシング(←マダニがついていたら物理的に落とす)
■手足を流水で洗う(←除草剤等の薬剤を落とす)
でしょうか。
人間も、外出する際は蚊・マダニ対策のスプレーをつける/肌を露出しない等の対策をしてくださいね!
完全室内飼いのワンちゃん猫ちゃんも、マダニだらけになってご来院される子が当院・他院共に報告されています。人の衣服に付着して家の中に持ち込まれてしまったのだと思います。室内飼いでも油断せず、予防対策をお願いします。

〜おまけのお話〜
院内には、ひまわりの好きなスタッフがいることもあり、最近はたくさんひまわりを飾っています。
ひまわりもたくさんの品種があり、一番上のお写真にあるひまわりは、マロン(内側茶色の模様のある)とモネ(薄黄色)です。
最近インスタにアップしそびれがちですが、院内のお花も載せていきますね。
マロン・モネの花瓶に一緒に入れている実のなっている蔓の植物は山帰来という植物。山帰来の根っこは生薬としても使われ、体調不良の人が山に入ってこの生薬を使って元気になって山から降りてくるという由来からこの名前がついたのだとか。このことからこの花言葉も「不屈の精神」「元気になる」だそうです。
爽やかグリーンの色合いの植物なので見ているだけで気持ちが涼しくなります^^
信頼と安全
少し前のお話になってしまいますが、ニュースで話題になっていた、サプリメント服用に伴う健康被害に関連したお話を。

院長もコレステロール値が高く、コレステロール対策のサプリメントを飲んでいた時期があるのでその報道が出始めた頃は、ドキリとしてしまいました。
院長の飲んでいたサプリメントには疑わしいとされる成分は使用されていなかったのですが、色々なサプリメントや食品に使用されているものなのでとても心配でありました。
しかし、今回の件で、私なりの視点で感じたことは、
このサプリメントが、所在の明確な製薬会社さんで作られ、量販店さんなど正規ルートで卸され、そして販売され、購入先が明らかになっているものだからこそ報告が上がったり、原因の究明に尽力してくれたり、責任を負ってくれたりという流れになっているのではないかということです。
ネット社会となった今では、簡単にサプリメントや食品がボタン一つで配送してもらうことができ、中には本来医師や獣医師の処方がなければ購入できないような薬や処方食まで見かけることもあります。
厚生労働省も注意を促していますが、個人輸入でお取り寄せできるようなものもその一つで、
一見便利そうですが、もしその商品が偽物であったり、食べたり服用して健康被害にあっても責任を負うのは自分になってしまうということだということをあまり意識して購入されている人は少ないのではないでしょうか。
過去に実店舗で販売されていたアサリやウナギでさえ偽装されていたものだったというくらい、本物でないものが紛れ込む危険性がある中で、実体が目に見えないネットのお店で販売されているフードやお薬が正しいものであるという保証はどこにもありません。
もしかしたら、別の成分で置き換えられたものかも知れませんし、保管状況もどういうところで保管されているか、わかりようもありません。もしかしたら高温多湿の環境、害虫やカビが蔓延している場所で保管されているということもあり得ないことではありません。
当院に卸されているお薬・サプリメント・フードも、業者さんが品質維持のため適正の環境で保管管理しており、実際使用された後に患者さんの治療経過がどうだったか、フレーバー錠であれば美味しく食べられたか、何か使用しているときに困ったことはないかなど都度聞いてくださいます。
こちらから飼い主さんの声を届けることもあり、要望等も聴取後にメーカーとして検証・検討してくださっています。
体に取り入れるもの、病気を治療するもの、病気を予防するものであれば、より一層信頼と安全が確保されたものを使用したいものです。
今回はしっかりしたメーカーさんでこのようなことが起こってしまいましたが、だからこそ被害が報告され、因果関係が疑われた後の被害が食い止められ、原因究明や補償等の手続きが行われることになったのではないかと思います。
このようなことを踏まえ、皆さんには流通不明確なものには十分注意していただきたいと思います。
もちろん、お知り合いへのお薬の譲渡も、授受もしてはいけません!
万が一のことがあった際に責任の所在がどこにあるのかを常に気にしてほしいなと思います。
もうすでにこの時期は全ての方がフィラリア・ノミマダニ予防のお薬投与を開始しておりますが、動物病院から処方されたものは、“その時期・その子“に処方されているものでありますので、必ず指示された用法容量で使い切ってくださいね。
年末にお口もお掃除
当院では例年6月と11月にスケーリングキャンペーンを行っており、毎回この時期をきっかけに多くの方にわんちゃん・猫ちゃんの口腔内の健康について意識してもらえています。
口臭は気になっていたけれど、なかなかお口を触らせてもらえなくてお口の中がどうなっているかわからない・・
歯周病かな?と薄々感じてはいたけれど、麻酔のリスクが怖くて決断しかねる・・
ガムやおうちの歯磨きで頑張ってみようかな・・・・・
普段、気がかりではあったけれど、色々な思いから踏ん切りがつかずに歯周病が悪化し、歯を抜かなければならないほど重度歯周病にまで進行してしまうことも少なくありません。
前の記事にも書きましたが、重度歯周病にまで進行してしまうと、歯周ポケットで増えてしまった歯周病菌によって心臓や腎臓など、全身の臓器もダメージを受けてしまいます。この全身に悪影響を及ぼす歯周病菌は歯の表面にあるものではなく、空気の触れない歯周ポケット深くにいる菌(嫌気性菌)なので、歯磨きや無麻酔での歯の処置では取り除くことができません。
重度歯周病にまで進行してしまったお口の中には、全身に悪影響を及ぼす菌が増えるだけでなく、トリコモナスという原虫もウヨウヨしていることが多々あります・・(以前の記事に動画がアップされていますのでご興味のある方は是非ご覧ください。)
その状態で、スキンシップをとると、飼い主様ご家族の健康に影響が出てくることは当然のこと。
ワンちゃん・猫ちゃんのお口の健康を守ることは、人間家族の健康維持にもつながります。

とはいえ、『歯周病の程度はどれくらいなのか、視診での評価だけでなく、検査をしてから処置を決断したい!』という方には、歯周病のリスクを測れるキットがございますので、そちらにてお調べすることも可能です。
AD plit(アドプリット)というキットなのですが、口腔内歯周病菌の活性度合いを評価できるキットとなります。
上の写真の子は歯周病リスクLevel4程度。ほぼ視診での評価と相違がないかなと思います。

今回は歯周ポケットも深くなる前に処置を検討してくださった方が多かったので、抜歯をすることなくスケーリングによって美しい歯を取り戻すことができる子が大半で嬉しく感じています。
↓写真で比べてみると、見事なビフォー/アフターになっています。


しかし、一度スケーリングを行って美しい歯を取り戻せても、毎日のケアを怠るとすぐにまた歯石は蓄積されてしまいます。(何もしないと早ければおよそ3日ほどで歯石は出来上がっていきます。)
このため、飼い主様には是非 “処置、その後” のケアを頑張っていただければと思っています。
可能であれば毎日の歯磨き・・。
とはいえ時間がなかったり、イヤイヤされてしまい、「すること自体が難しい」という場合も多いと思いますので、歯磨きガムだったり、歯磨きペーストを舐めさせる・飲み水に入れるだけのケア用品など、できる範囲のことで維持していただけると良いかと思います。
さらに
デンタルBio(ビオ)という口腔内善玉菌のサプリも使いやすくておすすめです。こちらは悪影響を及ぼす歯周病菌の増殖を抑えてくれるStreptococcus salivarius K12が含まれているタブレットで、1ヶ月継続により歯周病菌が90%近く減少するという報告があります。
歯周病菌の減少により歯垢・歯肉炎・口臭の軽減が認められています。(※デンタルビオは動物病院専用ものとなっています。)

こちらのタブレットは、早期に歯周病予防をしたい方、スケーリング後すぐから今後の口腔衛生を維持していきたい方、抜歯をしてガムなどの硬いものでのケアが難しい方に特におすすめです。
抜歯をしていなくても、スケーリングが終わってすぐはガムのような硬いもので歯を傷つけずに過ごす必要があ流ため、このようなものを使うと便利かと思います。
11月のキャンペーン中にご予約された方のスケーリングが12月もまだ多数予定されています。
皆さん綺麗なお口になって清々しく新しい年をお迎えできると良いなと思っています!
お口の中に原虫が
あっという間に11月。。
・・・・というセリフをつい先日吐いたような気がするのですが、気のせいでしょうか・・・。
1年が猛スピードで駆け抜けている気がします。
さて、11月は当院の年間キャンペーンでラストのスケーリングキャンペーンが行われます。当院に通われている方はお馴染みのキャンペーンですね。
良い歯(11.8)にかけて、そして綺麗な歯で年を越せるように。という狙いがあり11月に行っているのですが、歯周病は進行してしまうと根元の歯が溶けてしまい、スケーリング(歯石除去)をしても綺麗な歯を残してあげられない結果となってしまいます。
歯周病になりやすい犬種(チワワ・トイプードル・ダックスなどの小型犬)は特に気をつけてみてみましょう。

コチラ↑は6月のスケーリングキャンペーンで処置をした子のお写真です。
上のお写真の子は重度歯周病のため、奥の歯はほとんど抜けてしまいました。(そのためアフターのお写真がありません・・・)
下のお写真の子は歯肉炎がひどくなる前にケアに来てくれたので見事にビフォーアフターが撮れました。
ビフォーがコチラ↓
一番汚れがつきやすいとされている裂肉歯にしっかり汚れがついています。

裂肉歯は、口唇をしっかり上げないと見えにくい歯なので、汚れに気づきにくい歯でもあります。
ちなみに、スケーリングのアフターがこちら↓ 見事にピカピカな歯になりました!

表面の汚れはもちろん、大事なのは歯周ポケットの隙間にある汚れをしっかりと掻き出して綺麗にすることです。
空気に触れている部分にいる細菌よりも、空気のない環境にいる細菌(嫌気性菌といいます)が悪い影響を与えるため、麻酔をかけてしっかり処置を行うことに意味があります。
人間でも歯医者さんのウィーン!!という音には恐怖を覚えますが、わんちゃん・猫ちゃんは事情を飲み込めない分、シラフで処置が行われると一層恐怖を感じてしまいます。
また、歯周病が進行してしまうと、顎の骨が溶けて脆くなってしまうため、顎を骨折してしまったり、上顎洞から鼻の方にまで穴が貫通して鼻の方にまで炎症を起こしてしまったり、歯石を取るだけに止まらず、抜歯の後に色々な処置が必要になってしまいます。それ以前に歯周病菌が全身状態に悪影響を及ぼすため、歯周病の処置が遅くなればなるほど麻酔をかけるリスクも上がってしまいます。
毎日歯磨きをしている人間でさえ虫歯になったり歯周病になることがある中で、まして何度も歯磨きができないわんちゃんが歯周病になるリスクが高いのは当然のこと。
それでも、「何としてでも頑張って歯磨きをやらなければ!!」と無理をして行おうとすると、わんちゃん自身も“歯磨き=嫌なこと”という図が出来上がってしまうので、お家での歯磨きが難しい場合には無理をせず、歯磨きペーストを舐めてもらうところからスタートしたり、飲み水に混ぜるタイプの口腔ケア用品だったりデンタルガムを上手に使いながら、まずは無理なくできる範囲のケアを維持していくことをお勧めします。(どんなケア用品があるかは院長またはスタッフまでご相談いただければご紹介いたします)
わんちゃんの口腔内の問題は、わんちゃんだけの問題ではなく、スキンシップをとる同居のご家族様全員の健康にも影響してしまうため、この機会に今一度飼われている子のお口のチェックをしてみてください。
目の下の部分が腫れている・鼻水が多くなってきた。などの、お口以外の部分の症状も、歯の問題から発生していることがありますよ。
さて、この上下の動画は歯周病になったわんちゃんの口腔内の菌の様子です。
スクリュー状に激しく高速回転をしている螺旋菌がたくさん確認できます。
菌以外にもトリコモナスという原虫(アメーバのようなもの)が蠢いているのも確認できます。
画面中央のモコモコ動いているのがトリコモナスです。
トリコモナスは、飛沫・唾液などを介してうつりますが、モノを介してもうつりますし、水分のある場所では数日生息できる原虫です。
歯周病に罹患しているわんちゃんのお口の中からは高確率で検出されます・・・。小さいお子さんやご高齢の方など、免疫力の低下した方がご家庭にいらっしゃる場合は特に要注意です。
油断してると・・・
もう9月・・・スーパーに芋栗南瓜のお菓子が並び始めてようやく暦が秋となったことを認識しました。
フィラリア・ノミダニをシーズン予防されている方は折り返し地点になりましたね。
さて、昨年はマダニをつけてご来院される方がとても多くいらっしゃいましたが、今年は皆さん頑張って予防してくれているおかげ&暑くてお散歩自体なかなか行けていないということもあり、マダニ感染を主訴としたご来院は比較的少なめです。(話が脱線しますが、暑くてなかなかお散歩に行けないせいで、爪が伸びてしまったとのことで、爪切り要望の方は多いです!)
しかしながら、油断して飲み忘れたり、きっと大丈夫だろうと予防を怠ったりすると、今までの努力が水の泡になってしまうので頑張って予防期間を完走してくださいね!(フィラリア予防は薬の内服を1、2回忘れてしまったがために感染してしまったというお話もあります。)
また、今年の秋は暑いとの噂もあり、当初11月末または12月頭で予防期間終了を設定している方も、その時期の気温によってもう少し延長となることもありますので、ご不安な場合は予防シーズン最終月にまたご相談いただければと思います。(マダニ感染が心配なので通年予防されている方もいらっしゃいますよ!通年予防の方は初回の血液検査がなくなりますので、採血が苦手な子も通年予防にされていることもあります。)
一昔前はフィラリア症で亡くなるわんちゃんも多く、実際に私の祖父母の飼っていた犬も、スタッフのお父さんが飼っていた犬もフィラリア症が原因で亡くなっています。思い返せば、私の幼少期に近所にいたわんちゃんも乾いた咳をしていたので、今考えるとフィラリア症だった可能性が高いと思います。
近年ではわんちゃんを飼われているほとんどの方が予防薬を飲ませてくれているのでフィラリア症を診断することも少なくなりましたが、それは飼い主様の継続した努力の賜物で、決してフィラリアが少なくなったわけではありません。
毎年1回、予防薬処方の前に血液検査によりフィラリアに感染していないかをチェックしますが、なぜ毎年検査が必要かというと、フィラリアに感染した状態でお薬を飲んでしまうと、フィラリア幼虫が大量に死滅することでショック状態に陥ってしまったり、死骸が血管に詰まることで重篤な状態に陥ってしまうためです。
血管は出口がないので、お腹の虫のように駆虫薬で殺して体の外に出す・・ということができません。
心臓でフィラリアの虫が詰まってしまうと心筋梗塞に、足先の血管で詰まるとそこから先が麻痺してしまいます。

フィラリア検査では、キットによる抗原検査と、顕微鏡目視によるミクロフィラリア(フィラリアの子虫)のダブルチェックをしています。
上↑の白いキットは雌のフィラリア成虫から出される抗原を検出しているのですが、まれに血液中にフィラリア雄しかいなかった場合や、幼虫しかいなかった際は陰性判定となってしまいます。
フィラリアは5〜6ヶ月かけて成虫となり子虫を産むようになるので、まだ成虫がいない段階での感染を発見するために顕微鏡による目視で子虫のチェックを行います。
こちらの動画は、血液中にいるミクロフィラリア。小さな細長い虫が蠢いているのが確認できます。
↑のミクロフィラリア陽性の子は、フィラリア予防をしておらず、重度のフィラリア症となりご来院されました。
心臓のエコーでも、フィラリア成虫がたくさん寄生している様子が映し出されていました。
フィラリア成虫の特徴的な超音波所見は、数学の等号である🟰に似ていることからイコールサインと呼ばれています。
フィラリア陽性となってしまった場合、毎月の投薬により、フィラリア成虫を数年かけて、ちょっとずつ・・ジワリジワリと死滅させていくのですが、残念ながら今回の重度フィラリア症でご来院されたわんちゃんは残念ながら初回来院後まもなく亡くなってしまいました。
狂犬病と同じく、その病気に罹患する子が周りから少なくなると、身近に感じられなくなり「本当に予防する意味があるのかな?」と危機感が薄れていくこともあるかもしれませんが、皆さんがしっかり予防しているからこそ防げている病気ですので、油断することなく毎月の予防を続けていただければと思います。
バスに乗ってやってくる
今日は病院の裏話的な話題を。。
根拠や有意差があるお話ではない、私の体感的なお話なので、聞き流す程度でお読みいただければと思います^^
(取り留めもなく書いているので文章がメチャクチャで読みづらいのですが・・・)
当院のLINEをご登録いただいている方は、よく“緊急手術のため・・”という急な受付終了のお知らせを受け取ることがあるかと思いますが、この緊急手術の中によくある症例が子宮蓄膿症という、子宮に膿が溜まってしまう病気です。
この病気は、避妊手術をしていない6歳以降の子で、発情後2ヶ月の間に起こりやすく、陰部から膿が出ている場合は飼い主さんが異常に気づきやすいため、比較的状態が悪くなる前にご来院されることが多いのですが、膿が排出されていない場合、何となく元気がない・食欲がないというまま数日経過することが多く、病院に来る頃には全身状態が悪くなっていたということも少なくありません。
この病気は伝染するものではないのですが、なぜか短期間の間に続くことがある病気で、
外耳炎や尿路疾患なら、伝染性ではないにしても、何となく季節性(気温や湿度)の影響も強いので症例が続いても納得できるのですが、個々のホルモンバランスが影響するこの病気がなぜか続いてしまうことがとても不思議です。
お盆前にも子宮蓄膿症の症例が相次ぎ、急な手術となった子がいらっしゃいました。(うち一件は、同居の子も数日前この病気になり他院で手術されていたそうです。なのでほぼ同期間に当院だけで3件把握している症例です)
この先に膿でパンパンになった子宮のお写真がアップされています。
苦手な方はご注意ください。
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(Before・Afterがないのですが、本来の子宮はもっと細いです。)
さらに異物の誤飲により腸閉塞となり緊急手術になることも多く、これもどういうわけかよく続きます。(緊急手術のため・・は大体子宮蓄膿症か異物除去手術が大半を占めています。)
普段の診療においても、“前日は「間違って休診案内しちゃったのかな?」というほど空いていたのに、今日は激混み・・・”や、
午前あれほど混雑していたのに午後は“世の中から人がいなくなってしまったのかというほど静か・・”ということが起こるので、お問合せによくある『土日って混みますか?』『平日だと待ち時間少ないですか?』になかなか答えづらいところがあるのです。
お電話で『今空いてますか?』のお問合せに対し、『今なら空いています!!』とお答えした直後、一度に3件〜5件受付があり、結果「問合せした時には空いていると言われて来たのに混んでるやん・・・。」という状況になっているため、嘘はついていないけど、嘘をついてしまったかのような申し訳なさでいっぱいになります😭
こんなふうに、混み具合も症例もまとまってくるような傾向にあり、知り合いの先生なんかはよく『患者さんはバスに乗ってやってくる』と表現していました。
いつも通勤で同じ時間で通っている道が、今日に限って何故か混んでいる。(工事もしてないし、事故が起こっているわけでもない)/今日はみんなどこに行っちゃったの?というくらい街がとても静か・・・という現象と似ているかもしれません。
何が影響しているかは定かではありませんが、もし天気・気圧・風向き・気温などの気象条件が集団心理に大きく影響しているとしたら、統計をとってみたいと常々思っています。(誤飲が続くのも、もしかしたらその条件がおもちゃを飲み込みたい気分にさせているのか・・・そんなわけない。と思いつつも、あまりに続くことがあると疑ってしまいたくなります。 そういえば昔、院長勤務医時代に1週間の中で2〜3件も骨折の手術をしたという時期もありました。骨折も普通は続くものではないのですけれどね・・・)
この、バスに乗ってくる現象、他の医院さんは共感してくれるでしょうか?それともうちだけ??
楽しむためにもご注意を!
今日から5月!
すでにお休みを取得されてお出かけされている方も多いでしょうか??
さて、フィラリア・ノミダニの予防シーズンについに突入いたしました。お薬のご投薬がまだな方はお早めに!(フィラリアに関しては、4月末スタートの人は11月下旬、5月上旬スタートの人は12月頭まで予防期間を推奨しています。※気温や環境等により地域や年度により推奨予防期間は変わります。)
当院ではすでにマダニ・ノミをつけてご来院された患者様もチラホラいらっしゃっています💦
もしもマダニがついているところを発見したら、無理に取ろうとせず、急いで動物病院で取ってもらってくださいね。
(どうしてか?は、4月10日投稿のブログにアップしています。)
※お薬を飲んでいる方は、マダニに噛まれても自然に脱落します。
そしてワンちゃん連れでお出かけされる方にぜひ注意していただきたいのが、車での移動中の事故。
当院でも過去“急ブレーキの際に、弾みでワンちゃんが飛んでいってしまい、肺挫傷により瀕死の状態で運ばれてきた。”という事例がありました。その子は奇跡的に助かりましたが、生死を彷徨うほどの重体だったため、このブログを読まれた方には、ワンちゃんにもシートベルトの着用をぜひお願いしたいと思います。(胴輪につけるワンちゃん用シートベルトや、BOXタイプのワンちゃん用座席があります)
車での事故の件数・人間の負傷者数・死亡者数はニュースにもなりますが、ワンちゃん猫ちゃんの事故は報道されません。
死亡に至らないまでも、足腰を痛めてしまう場合が多いのでご注意ください。
この他注意したいのが、ロングリードの事故です。
お散歩も楽しくなってくる初夏。
ロングリードでお出かけ・お散歩中、長く使用していたために道路に飛び出して車と接触してしまった・・。
走ってきた自転車に引っかかり首が折れてしまった・・。
制止するのが間に合わず、人または相手の犬を咬んでしまった。などとトラブルが多々起こります。
伸縮リードはとても便利ですが、場所によってはすぐに対応できるよう長さを短くしてご使用くださいね!
さらにお出かけ先でのトラブルではありませんが、5月から紫外線量・気温も本格的に高くなってきます。
暑さ対策でサマーカットなどにされる方も多いのですが、皮膚を保護してくれる被毛が短くなると紫外線が直接皮膚に当たり刺激となってしまうため、毛を短くカットされたワンちゃんは、お散歩時に薄手のお洋服を一枚羽織るといいかと思います。
砂漠の住民も裸ではなく白い衣装を一枚羽織っていますよね。むしろ素肌でいるより一枚着ていた方が涼しいのです。
暑い時期は皆さん気をつけるのでそこまで多くはないのですが、ちょっと曇りの日や若干涼しい日には、油断し熱中症になるワンちゃんが多いので、よほどの冬でない限り、車内にワンちゃんを置いて行くのも厳禁です!
水分補給と換気が大切なので、お出かけ時には犬用の経口補水液的なものをご持参すると良いかと思います。(当院にもご用意がありますが、凍らせた甘酒などもミネラルが豊富でいいですね。)
短頭種の子は特に鼻が短かく口腔内の面積が狭いために、換気がうまくいかず熱が篭りやすいため熱中症になりやすいため、いっそう注意が必要です。肥満気味の子も熱を逃すことがうまくできないので、肥満気味の子もこれからの時期は要注意!
GWをきっかけとして、病気・怪我・事故に十分注意しこれからの時期を思いっきり楽しんでくださいね!










