カユカユ花粉症
このところ、目が痒いし涙が出てくるし、なんだか鼻もムズムズ。。
私自身花粉症の自覚はあまりなかったのですが、これはもう花粉症と言わざるを得ない症状が出始めています。目を掻きすぎて腫れてしまい、メガネ生活をしましたが、顕微鏡が見づらい見づらい(泣)
加えて、2月から乾燥もひどく、皮膚の方もピリピリ。
人間の皮膚に比べ、ワンちゃん猫ちゃんの皮膚の薄さは1/5ほどなので、よりワンちゃん猫ちゃんは外部の刺激に敏感です。
乾燥し脆くなった皮膚バリアに花粉などの外部刺激が加わると、かゆみを示すワンちゃんが多くいらっしゃいます。
また、この時期は卒業式、入学入園準備、職場内の異動などで人間の方も慌ただしいため、構ってもらえないストレスから手足を舐めてしまったり、痒みがきっかけて掻いていたものの止めてくれる人がいないので症状を悪化させてしまいがちです。
もしもご自宅でシャンプーをされる際は、シャンプーだけでなく、その後の保湿もしっかり行ってくださいね。
当院でも、保湿系のシャンプー剤を使うだけでなく、洗い流さないトリートメントなどを使用していますが、シャンプー時のオプション追加としてハーブパックやアップルウォッシュバブル、シャンプーをマヌカウォッシュバー(石鹸)への変更なども可能となっています。
ハーブパックは皮脂汚れのある子、虫除けを期待したい子(ハーブを使用しているので)、仕上がりをツルツルにしたい子にお勧めしております。(もしもハーブパックに使用されている草にアレルギーをもっている場合は痒みが出ることもあるかもしれません。)
ハーブパック後のハーブ湯は、ほとんどのワンちゃんがこのように気持ちよさそうに浸かってくれるので、見ている私たちも幸せな気持ちになります^^
アップルウォッシュバブルはふわっとした仕上がりになることと、シャンプー前の汚れ分解の手助けになってくれ、あまりシャンプーに時間を取られたくない子にはおすすめです。
こちらの柴犬さんもアップルウォッシュバブルの温浴に気持ちよさそう。泡が垂れてアマビエさんのようになっています。
普段のシャンプー剤も保湿系の、できるだけ刺激の少ない天然のものを多く使ったシャンプーを使用していますが、より余計なものが少ない、保湿もしっかりな石鹸も導入しており、それがマヌカウォッシュバーの石鹸になります。
マヌカウォッシュバーは生食フードで有名なK9の出している石鹸で、泡の弾力がすごいのでお腹周りをしっかり洗いたい子、洗っている人の手の潤いも維持したい人、泡ぎれが良いのでお顔周りをしっかり洗いたい子(シワの多い短頭種さん)におすすめです。
なかなか写真だと伝わりにくいですが、まるでケーキのナッペ(生クリームの塗り付け)をしているみたいです。
これから花粉が酷かったり、暑い夏場になるとシャンプーの機会も多くなると思いますが、ぜひシャンプーをした後は保湿もしっかり。そしてシャンプーの保管方法もしっかり行うことをおすすめします。(シャンプーの保管方法が悪いと逆に痒みが出てしまうことがあります。)
子猫の初めて
更新がだいぶ遅くなってしまっていますが、
今回は我が家の新入り猫の寿住(すずみ)さん🐈にモデルになってもらい、『苦手』とされることに対して、どうやって慣らしていくか。をご紹介したいと思います。
まず、ワンちゃん・猫ちゃんどちらの場合も、初めて経験するもの・こと・ヒトに対しては第一印象というものはとても大切です。
初めて出会ったものに対して悪い印象がついてしまうと、以降もなかなか受け入れるのが難しくなってしまいます。
初めて経験するもの・こと・ヒトに出会うときに気をつけたいことは、まず“無理をしない”という事。そして、その子にとっての楽しい事・好きな事・嬉しい事と結びつける事。がコツとなってきます。
そんな時代活躍するのがおやつや遊びであったりします。
『車に乗る時はいつもドックランに行って遊べる時!』だと車に乗るのが好きになるでしょうし、『車に乗る時はいつも動物病院に行って怖いお耳の処置をされる時…』だと車に乗るのが嫌いになってしまうでしょう。
猫さんの場合、ほとんどの子が苦手と思われる処置は、お風呂や爪切りが多いのではないでしょうか?
今回はその2つのことをどのようにして慣らしていくかの動画を撮影したのでアップしたいと思います。(あくまで参考として)
まずはお風呂バージョン。
初めてのお風呂。この時気をつけたいことは、苦手と思われる項目を少しでも減らしてスタートさせることです。
初めてのお風呂で、知らない場所・初めての人との出会い・大きな物音・強い刺激・長時間の拘束など嫌なこと盛り沢山になってしまうと負担が大きくなってしまいます。
シャンプーに慣れないうちは、初めは湯船につけるだけ。だったり、お天気の良い日におこなって、ドライヤーも長時間かけなくても乾きそうな日を選ぶと良いと思います。これは“長時間の拘束”の削減です。いつ終わるかわからない未知のことが始まり、猫さんはドキドキ緊張・恐怖を覚える子もいると思いますが、『思ったより早く終わったな・・』と思ってもらえたら、次の時も『まぁあれくらいなら』とやらせてくれるかもしれません。
また、その時だけ特別にもらえるおやつを用意しておくとワンちゃん・猫ちゃんにとって少し嬉しいイベントになるかもしれません。
初めての寿住🐈のシャンプーday。この日はゴシゴシシャンプーはせず、アップルウォッシュバブルの温浴だけにして、あとは弱めのシャワーで洗い流し(強い刺激の削減)、タオルドライをしっかりした後、ドライヤーもかなりの弱風で乾かしました(大きな音、強い刺激の削減)
少し嫌がったら無理に押さえつけず、みんな大好き“ちゅーる”でつったり、好きな体勢にしてあげながらゆる〜く行いました。
初シャンプーがはじめての場所(サロンだったり、病院だったり)で、初めて会う人に触れられ、いきなり押さえつけられて色んなことをされる。というのはとっても疲れてしまうのは自分に置き換えて考えてみると想像するに難くないはずです。
なかなかのイベントな分、それと同等かそれ以上のご褒美を与えたいものです。
“あのお客さんが来る時は大人しくしていなきゃいけなくて苦痛だけど、最後いつもお小遣いをくれる人だからちょっと我慢しよう。”と思える子供と同じく、嫌なもの、嫌なこともちょっといい事と結びついていれば我慢してもいいかな??と思えるようになってくれるはずです。
ご褒美としてではなく、気を紛らわせるものとして使用する意味合いもあります。全神経を集中してしまうと、普段気にならないことまで気に障ってしまうので、おやつやおもちゃで意識を逸らせてあげると良いでしょう。
シャンプー時は2人以上いないと難しいですが、爪切りの時は、このように手の甲にちゅーるを乗せて行うと良いと思います。
シャンプー動画ではちゅーるをそのまま絞ってあげていますが、下敷きやよく洗った牛乳パックなどに塗りつけたものを目の前に出してあげるのも良いと思います。
とは言ってもおうちでシャンプー・爪切りを行うのはなかなか難しいもの。家の中ではやんちゃだけれど、病院に来ると大人しくなる。という子もいますので、とりあえずまずは無理をせず。を第一に。
『大したことがないものだよ』と思わせる訓練だけでもいいと思います。
爪切りに関しては、一度に全部やろうとせず、1本やって今日はおしまい。から始めてみることをお勧めします。
おやつをあげるときはいつも指を少し触る。からスタートしても良いです。
しつけは、長〜い目で、根気よく行うことが大切です。
子育て本と同じく、しつけに関しても書かれている通りに・・なんて、やってみてもなかなかうまくは行かないもの。それでもあきらめずにいられるかどうかが大事だと思います。その子をよく知っているのは飼い主さんなので、飼い主さんがその子の状態・状況を見ながらアレンジしてあげてください。
無理をせず、長い目で一歩下がるくらいの向き合い方でお付き合いしていただければと思います。
発酵あんこ
11月は下痢・軟便を主訴に来院されたワンちゃん・猫ちゃんが多くいらっしゃいました。
これから年末年始に向け、寒さだったり、普段食べない美味しいご馳走のお相伴にあずかったり、慣れない来客にストレスを抱え、ますます胃腸に負担がかかることも多くなるかと思われます。
しかもお歳暮時期は、配達員さんのピンポーン♪も増えますので、「お家を守らなきゃ!」という意識が強い子は、気を張る機会も多くなりそう。
去年のよつば新聞にも書きましたが、クリスマス時期・お正月時期は誤飲誤食も多くなりますので、飼い主のみなさま、食べ物の管理には十分お気をつけください💦
クリスマスの時期に多い事例は、焼き鳥を串ごと食べちゃった!、チキンを丸ごと食べちゃった!、ケーキの飾りを食べちゃった!、ゴミ箱からビニールを漁って食べていたみたい😱・・・などなど。
焼き鳥の串はもちろんのこと、チキンも加熱された骨の場合刺さりやすくなるので非常に危険です。(生の手羽元は比較的平気)
また、明らかな異物でなくても、この時期はチーズや生クリームなど、脂肪分の多い食べ物が食卓に出回ることが多いので、胃に負担がかかりやすく、消化酵素を急激に出そうとして膵炎なども引き起こされやすくなってしまいます。
さらに年末年始は動物病院さんも長期のお休みに入ってしまうところが多いので、予め対策を嵩じておくことをお勧めします。
誤飲誤食をしないように、ゴミ箱は倒されても蓋が開かないものにしておく、家族間で、“人間の食べ物を与えない・おやつを食べさせすぎない”という意志を統一しておく、ご飯支度の時はケージに入れておく、宅配ボックスがあるお家はインターホンではなくボックスに入れておいてもらう、インターホンではなく別のアプローチをしてもらう(お電話をもらう)など。。。
また、この時期だけでも消化の良いご飯に切り換えてみるのも良いかと思います。普段のご飯に整腸サプリメントを添加するのもGOOD。
病気にならないうちから何かしておくということがとても大切です。
その中で、やはり同じ食べ物を食べて喜びを分かち合いたい。という方向けに、ワンちゃんのお正月特別メニューに使えそうな食べ物をご紹介。
上の写真は先日私が作った発酵あんこです。
あんこは犬に食べさせても良いの?というお正月にありそうな質問の答えは、NOです。なぜなら市販のあんこは砂糖が大量に使われているため、糖分・カロリー過多になってしまうからです。
でも、この発酵あんこなら、砂糖を一切使っていないため、小さなお子さんから、おじいちゃん・おばあちゃん・ワンちゃんにも食べさせて安心。(もちろんアレルギーもちの子や、食べさせすぎはいけません。)
ワンちゃんの手作り食に甘酒は使っても大丈夫だよ。という記事を書いたことがありますが、この発酵あんこも、麹を使って作ったもので、整腸作用やビタミンが豊富なため、お腹のことを考えてもお勧めの一品。
お正月の時に茹でたジャガイモやかぼちゃをお団子にし、この発酵あんこを少し乗せてあんこ餅にしてあげるとお正月らしいワンちゃん手作りメニューにできて良いのではないでしょうか。
発酵あんこは、あく抜きした小豆を柔らかくなるまで煮た後に、麹と混ぜて炊飯器の保温効果で8時間ほど放置(時折混ぜますが)すると出来上がります。(保温放置の時は炊飯器の蓋は開けて、濡れ布巾で炊飯釜を覆います)
水分量などは生麹を使うか、乾燥麹を使うかによって変わりますが、今回私が使ったレシピでは、小豆200gに対して、あく抜き後の小豆を煮る水が4カップ、塩は小さじ1/2。 炊飯器での発酵は、茹でて柔らかくなった小豆と、いつも行く麹屋さんかから買ってきた生麹200g、お水を1カップという分量で作りました。
小豆を茹でている時に出る小豆汁はダイエット効果、むくみ防止、アンチエイジング、コレステロール減少など、女性だけでなく男性にとっても嬉しい効果が期待できるため、発酵あんこで余分に出た汁はそのまま飲むのもおススメです。
スーパーで売られている市販の乾燥麹でもできましたが、今回麹屋さんの美味しい生麹を使ったため、さらに美味しく仕上がりました。麹もこだわるととても美味しい発酵あんこができますよ!
わんわんわん で、犬の日
今日から11月!!
最近は朝の冷え込みのせいで布団から出るのが一層億劫になっていますσ^_^;💦
そして日が落ちるのも早いため、なんだか時間が過ぎるのも早いような感覚に陥ってしまいます。
この冷え込みに加えて、日照時間の変化から、自律神経のバランスが崩れているためか、最近多いのが下痢をしているワンちゃん・猫ちゃん。
人間は胃腸の動きをよくするために腹巻きや湯たんぽ、カイロなど工夫すると良いのですが、ワンちゃん・猫ちゃんの場合ですとそうはいかないので、季節の変わり目や、急に冷え込んできたときにはいつものご飯を消化の良いものへ切り替えるなど、予防的な工夫をすることをお勧めします。
また、寒くなってくると、ヒートマットを出すご家庭もあるかと思いますが、お留守番時に全ての面をヒートマットにしてしまうと、暑くても逃げ場がないので、必ずヒートマット無しのスペースも確保してあげてくださいね!
子犬さんだと皮膚もより一層薄いので、低温やけどになってしまう心配があります。
スッポリ包まれるブランケットなどあれば安心感もあり、自分の体温で心地よく眠れ、火傷の心配もないのでベストかと思います。
ブランケットといえば、今日は11月1日でわんわんわんの犬の日でしたが、たまたま行ったお店にこんな可愛い猫ちゃん柄のブランケットがあったので、院内での事務作業時用に購入してきました(〃ω〃)
生地も、動物たちが好みそうなふわふわ感(笑) これをお膝にかけていると、もれなくワンちゃん猫ちゃんが乗ってきそうな予感がします・・♡
犬の日といえば、以前からチェックしていたKALDIさんの犬の日お散歩バック。
朝一で行けたので、手に入れることができたのですが、ものの10分ほどで完売しておりビックリしました。確かに見た目も可愛く、ボタン付きで使いやすそうであるので人気であるのは頷けるのですが、まさかあんなに殺到するなんて想定外でした(°_°)
表も裏も可愛いワンちゃんのイラスト^^
ダックスはあの子に似てる・・。 ビーグルはあの子! パグは・・痩せていたときのあの子に似てる・・などなど、スタッフと盛り上がりました。
同じ犬種を院長画伯に描かせたらどんな仕上がりになるかしら・・(インスタを見てくださっている方は院長画伯と言って通じるかと思います٩( ᐛ )و笑)
ちなみに、お散歩バックの中身はこれまた可愛いパッケージのお菓子! もちろん人間用お菓子です。 間違ってもワンちゃんに与えてはいけません・・(⌒-⌒; )
そんな犬の日の本日いらっしゃったワンちゃんたちをご紹介。
シェルティーの男の子。大きな手術を乗り越えて、元気に通院してくれて嬉しいです。
こちらは、本当の飼い主さんではないのにお腹ゴローンで甘えているバーニーズさんと、「ちょっとおかしいなぁ。。」と思いつつ大人しく待っているゴールデンさん(o^^o)
バーニーズさんは元気いっぱいでブレブレですっ(*≧∀≦*)
なんと今日は大きなワンちゃんが続けてご来院の日で、ロングヘアーのワイマラナーの女の子もいらっしゃいました♡
そして重度の貧血を乗り越えて元気になってくれたヨーキーさん。
健康診断と、スケーリングで来院したトイプードルさん。 健康診断で異常なところが判明し、お薬を開始することになりました。 高齢だから・・と特別な症状がなくても健康診断を考えてくれた飼い主さんのお陰で早めに対処することができました!
歯の方も、ビフォーから・・・
こんなにピカピカになりました!!
小さなお子さん、ご高齢のご家族がいらっしゃるご家庭では、ワンちゃんの口腔内の衛生を保つことはとても大切です。
11月8日〜はスケーリングキャンペーンが始まります。 うちの子の歯は大丈夫かしら??と言う方は、まずはご相談いただければと思います。スケーリング時に麻酔前の血液検査も行いますので、秋の健康診断がてらにもなります。
まずは家でできるメンテナンスで・・という方は、新しく発売された歯磨き粉やご飯にふりかけるだけのデンタルケアサプリ(私たちは通称ふりかけと呼んでいます)などもありますので、歯磨きグッズからご検討されたい方は院長や看護師さんにお気軽に聞いてみてくださいね☆
猫フェロモン
猫さんのお部屋(診察室)には、“フェリウェイ”という猫のフェイシャルフェロモンF3類縁化合物のアロマを焚いています。
このフェリウェイ、一体どんな効果があるの??というと・・
▶︎猫のフェイシャルフェロモンは頰袋に含まれていいて、普段生活している中で特に慣れ親しんだものへ、その好意を示すために擦り付けるものです。
猫の顔から分泌される化学物質は40種類ほどありますが、フェイシャルフェロモンのF3が縄張りが安心・安全であることのサインとして出されるもので、これによりリラックスでき、ストレスによる尿マーキングや爪とぎの抑制の助けになるとされています。
F3フェロモンは、“その場所は安心だよ。”というサインになるため、動物病院や引越し先など、慣れない環境に行くときに嗅がせると、イライラ・緊張の閾値が高くなるため、比較的大人しくなるとされています。
また、新しい子をお迎えするときなども作用が期待できますし、飼い主さんがいないと不安になりがちな猫さんなどにもお勧めです。
(注意点としては、一旦スイッチが入ってしまうと気持ちの変化が期待できないため、使用するなら”あらかじめ”の段階から使用することです。)
(⬆︎人間も、一旦機嫌が悪くなると何もかも嫌になってしまう経験がありますよね・・(⌒-⌒; ))
このため、普段からお部屋の中で拡散器を使って常時焚いておく・キャリーケースの中にスプレーしておく。などのお使い方をお勧めします。
また、猫ちゃんの診察にご来院された際は、診察室に入ってから十分フェリウェイの香りを嗅いでもらい、診察室の雰囲気に慣れた頃にゆっくりキャリーから出してあげてください。
まずは飼い主さんと先生がお話をいたしますので、あわてて猫ちゃんを出さなくても大丈夫ですよ☆
1年中使用するのはコストが・・という場合は、お盆時期・お正月の時など、来客が多い時だけでも活用するのもいいと思います。
ご興味のある方はスタッフまでお申し出ください。
当院は、待合室・猫ちゃん用診察室に拡散器を設置していますが、
ドキドキしやすい猫ちゃんがホテルや入院でお泊まりするときはお部屋に使うタオルなどにスプレータイプのフェリウェイを使っています。
マイクロチップ
さて、以前の記事で改正愛護法について少し触れましたが、今回は改正愛護法で何が変わったのかをお話ししたいと思います。
まず、動物の虐待についての罰則が強化されました。
旧動物愛護法では、動物の殺傷については、2年以下の懲役または200万円以下の罰金であったものが、5年以下の懲役または500万円以下の罰金へと厳罰化されました。
動物の遺棄に関しても、100万円以下の罰金であったものが1年以下の懲役または・・に変更に。
そして、動物の販売に関しては、生後56日以内の販売は厳罰化になります。
犬猫は生まれてから生後3〜4ヶ月の間にお母さん犬や他の兄弟と触れ合い、“犬づき合い”を学びます。例えばどれくらい噛んだら怒られるのか。兄弟と遊びを通じて徐々に感覚として覚えていきます。この“自分以外の動物”との触れ合いかたを学ぶことができないと、加減を知らないで大人になり、手がつけられない犬・猫になってしまいます。
上記の法律はあまり飼い主さん本人に直接関わることではありませんが、次の内容は少し知っておいてほしい法律です。
ほとんど全ての飼い主様に関わってくる法律が、マイクロチップの装着に関しての法律です。
マイクロチップとは、肩甲間部に入れる個体識別を行うためのとても小さなICダグで、内部にはICチップとアンテナが入っています。大きさは8~12mmほどの円筒状で生体適合ガラスに覆われています。
生体への影響はほとんどなく、この装着によって具合が悪くなるなどといった報告は今の所無いようです。レントゲンやCTも問題なく取れます。MRIに関しては装着部分付近5cmくらいに若干画像の乱れができるようですが、それもほぼ診断に影響の無いところになると思います。
このマイクロチップを入れることにどんな利点があるかというと、首輪や名札などに比べ、生体からの脱落がないため、汚れや紛失のリスクがないというところです。ただし、マイクロチップを挿入するだけでは意味がなく、マイクロチップを入れた後に登録を行わなければいけません。
マイクロチップには15桁の数字が記録されており、専用の機械でこの数字を読み取り、これを元にその子の情報を割り出します。
東日本大震災では、マイクロチップは入っていたものの、登録をしていなかったために飼い主がわからなかったという事例が多数ありました。
ではマイクロチップさえ入れていれば首輪や名札は必要ないのか。というと、そうでもありません。
マイクロチップは専用の機械がないと読み取れず、さらに読み取っただけでは飼い主さん情報を知ることはできません。
このため、迷子のワンちゃん・猫ちゃんを見つけたとしても、すぐに飼い主さんの元へ返してあげることはできません。
どんな人にも、『この犬(or猫)は私の家の犬(or猫)ですよ〜!』と手軽に知らせることができるのは、やはり首輪や名札への記載になります。
このマイクロチップの装着は3年を目処に施行されるようですが、当面の間一般の飼い主さんは努力義務となるようです。
しかし努力義務。といっても、迷子になったら・・災害で離れ離れになってしまったら・・ということを考えると、この愛護法の改正をきっかけにマイクロチップの装着をご家族で考えてみるのも良い機会かな思います。
ペットショップさんからワンちゃん・猫ちゃんを迎い入れたという方は、ペットショップさんの方ですでに入れられていることも多いので一度ご確認ください。まだ入ってなくて、これから是非入れたい。と言う方はあらかじめ病院までその旨をお伝えいただければチップの方をご用意いたしますのでLINEまたはお電話にてご連絡ください。
改正愛護法の変更点は以下にまとめてみました。
ワンちゃん・猫ちゃんには軟水を
住まいの博覧会でご紹介させていただいたわんたま・にゃんたま。
ワンちゃん・猫ちゃんに浄水器の水・・なんて、ちょっと贅沢品?という印象は確かにあるかもしれません。
「水道水で十分」「うちはお水をお取り寄せしているからそっちで良い。」と言う方も多いと思います。
では水道水やペットボトルのミネラルウォーターは、ワンちゃん猫ちゃんにとって本当に安全なものでしょうか?
まず水道水ですが、一般的に水道水を避ける方の理由としては、塩素やトリハロメタンが入っているから。が挙げられると思います。
水道水の消毒として使われる塩素量ですが、日本の水道水の残留塩素濃度はWHOの基準値よりも大幅に下回っているので、生涯飲み続けても安全といえます。
次にトリハロメタンですが、このトリハロメタンという物質は自然界にある植物が不完全に分解された時にできる腐植質と塩素が反応することにより生成される物質で、発がん性があると言われていますが、こちらも日本の水道水はWHOの基準値を下回っており、生涯飲み続けていても大丈夫とされています。
総じて考えると、水道水は塩素は含まれているけれど、ワンちゃん・猫ちゃんの飲み水として容器に入れたまま半日〜1日過ごす。という方は雑菌の繁殖もある程度抑えられるため良いと言えます。
ただ、ワンちゃんなどは人間よりも嗅覚が鋭いので、水道水の塩素臭を気にしてしまう子だと塩素を除去したものの方がよく飲んでくれるようになるかもしれません。(人でいうと塩素臭のするプールのお水を飲んでいる感覚なのかも・・。)
また、地域によりミネラル量が変わってくるのでこの点には注意が必要です。関東や北九州地方ではミネラル分が多いので膀胱結石ができやすい子には水道水はあまりお勧めできないことになります。(あとは東北であっても井戸水を使っているような地域は注意)
次にペットボトルのお水ですが、これはどのようなお水をご購入されているかにもよります。
もしも動物たち・小さなお子さんに与えるお水でしたら硬水ではなく、軟水のお水をご購入されることをおすすめします。
しかしペットボトルのお水も、開封してしまうと雑菌が繁殖しやすくなってしまう点と、市販のミネラルウォーター類は水道水よりは安全基準項目数が少ないという点が多少気になる事柄かなと思います。
以上のことから、安価で、安全基準項目数も多く安全な水道水を使いつつ、その水道水の中からミネラル分を取り除いて軟水にしたものを、“必要な分だけ”作って与えることができるもの。と考えると、わんたま・にゃんたまはベストなものなのかな?と考えられます。ちなみに犬猫用浄水器と言っても、もちろん形が可愛くなっているだけで、人間が使っても全く問題はありません(^_^)v お父さんの水割り晩酌用などに食卓に置いても可愛いと思いますよ!
ワンちゃん・猫ちゃんは臭いにとても敏感なので、使用するお水の容器に臭いがついていても嫌がる子もいるので、プラスチックの器よりも陶器やガラス、ステンレスの容器をおすすめします。そしてキンキンに冷えたお水よりも多少ぬるま湯の方がよく飲んでくれます。
そして人間でもすぐ飲める環境にあればちょくちょく飲むけれど、少し遠い場所にあれば面倒臭くてつい我慢してしまう。ように、ワンちゃん猫ちゃんも気が向いたときにすぐお水を飲める。という環境がとても大切です。
可能であれば、生活空間に複数箇所お水を置いてあげることをおすすめします。
お花と出会いとダイエットと
昨日の午後からグッっと気温が上がり、今朝には上着も必要のないくらい暖かな日差しが降り注いでいますね🌞✨
今朝、幼稚園に息子を送っていく時に車の中から見えた桜の木の枝には、頑張って開花に向けて準備している少し膨らんだ蕾がたくさん見受けられました🌸
実はあと数日で長女の誕生日なのですが、長女を産む前はひたすら家の近所を散歩していた記憶があります。その時、行く先々で沈丁花の花の香りがしていたのを覚えています。(沈丁花の香りだというのは一緒に散歩していた母が教えてくれました。)
普段は車での移動生活なので、ゆっくり道を歩いて散歩するという機会がなく、道に咲いている花を愛でたり、花の香りを感じたり、暖かい自然の空気を感じるという機会もないですが、ワンちゃんを飼われている方は季節の変わり目を五感で感じる機会が多いのではないでしょうか?✨
昨日の夕方、出先から予約の患者さんの診察のために病院へ戻る際、松陵のあたりを通りましたらワンちゃんをお散歩されている方をたくさん見かけました。よく通る道ですが昨日は特に多いような気がしました(^ ^)
この春の時期は寒すぎず暑すぎず、運動するにはちょうどいい季節で、ワンちゃんのダイエットに適した季節です。
少し足を伸ばしてみようか。と遠回りをしてもいいですし、少し勾配のついた坂道を選んでお散歩するのもいいかもしれません。足腰を痛めているワンちゃんの場合、急激な運動は身体へ過度の負担をかけてしまいますので、毎日数分・数十メートルなどワンちゃんの様子を見ながら少しずつ運動量を増やしてあげてください。
「うちの子、お散歩嫌いなのよね・・・」という場合には、ご家族で協力し合って、行きは車で送ってもらい、帰りを歩かせる。という方法もあります。
また、おやつ🍪を上手に使って、“お散歩を頑張ったら大好きなおやつがもらえる!😆💕”とワンちゃんのモチベーションをあげてあげることも大切です。このとき、普段から容易におやつをあげてしまっていると感動が薄れるので、“おやつは特別なもの”とするか、おやつにもランクを付けて使い分けることをおすすめします。(クレヨンしんちゃんも、何かものすごく頑張った時にはロイヤルチョコビやデラックスチョコビなどを買ってもらいますよね)
あとはご褒美におやつといっても、たくさん・ハイカロリーのものを与えてしまうとせっかく運動して消費した意味がなくなってしまうので注意してください(^_^;)
お仕事や家事に終われ、お忙しい方も多いと思いますが、時間をかけてのんびり散歩すると、季節の花が咲いていたり(この時期は特に✨)、知らない人との交流が生まれたり、思いがけない出来事や出会いがあるかもしれません。
これからお出かけシーズン。お花とのコラボ写真も撮れる機会が増えると思いますので、ワンちゃん・猫ちゃん連れでも楽しめるお出かけスポットなど、もしありましたらぜひ教えて下さい😸♪(例えば一緒に何処何処のお花見に行ってきました! や、お花がたくさん植えられているお散歩コースがありました! 、ここのドックランがお薦め🌟、 ワンちゃんとお泊まりできる旅館情報などなど。。。)皆様からの情報をご紹介できるコーナーも只今準備中ですので、用意出来次第またお知らせいたします(o^^o)
※受付カウンターには今回黄色のフリージアを飾ってみました💐 花言葉は“無邪気”です。
みんなのペットライフに以前私が執筆したワンちゃんのダイエットに関する記事に、食事や運動・カロリー計算などについてまとめてあります。
https://www.min-petlife.com/89878
バレンタイン注意報
本日はバレンタインデーですが、お菓子作りをしていて、うっかりチョコレートやクッキーを食べられないように気をつけてくださいね🍫
いつもはLINE限定配信としている🍀よつば新聞🍀(当院で発行している新聞です)ですが、本日バレンタイン特別企画として🍀よつば新聞 Vol11🍀をこちらにも発行したいと思います😀 チョコレート中毒について簡単にまとめました。是非ご参考までにお読みください。
また、木曜日は午前診療のみ(午後は予約診察)で半日だけなのですが、受付に可愛いチョコレートを用意しております💌
こちらはカルディコーヒーファームにて見つけたチョコレートたちです😃💗
もちろん! もちろん!
ワンちゃん・猫ちゃんたちにはあげないでくださいね💦!!!!!
飼い主様用ですので、ご自由にどうぞ💖
カルディさんは色々な猫さんのお菓子が頻繁に登場しているので、近くを通るたびに毎回チェックしに立ち寄っています😸
歌詞の中で学ぶ
我が家には小さい子がいるため、よく“おかあさんといっしょ”の番組を観ることが多いのですが、子供番組の歌って、ついつい口ずさんでしまうことがあります。
1、2回聴いただけで覚えられる曲。作ってる人は凄いなぁ!と感心してしまいます。(今流行りのJ-Popはもうほとんど覚えられません😂)
おかあさんといっしょの中で“さがそっ!”という歌があり、子供達も大好きなので車の中などでよく歌うのですが、歌詞の一部に、動物病院で働いているがゆえ(?)、天邪鬼にツッコミを入れたくなる部分がありまして・・・(^_^;)
それが
ねっころがって おおあくびの
ポチのくちのなかの むしばいきん!
という部分。
『なんて夢のないことを言うんだー😫』と言われてしまうかもしれませんが、、、ワンちゃんは虫歯になることはほとんど無いんです👩⚕️ ワンちゃんの口の中は人間と違い、虫バイキン(ミュータンス菌)が繁殖できる環境ではないためです。(もちろん虫歯になる可能性はゼロではありません)
ワンちゃんは、人間のように黒く穴が開く虫歯(齲蝕)にはなりにくいですが、そのかわりトレポネーラ菌などが起こす“歯周病”にはなりやすいんです。
まさか子供の歌の歌詞でそんなツッコミ必要ないですし、 ねっころがって おおあくびの
ポチのくちのなかの ししゅうびょうきん! なんて歌う必要もないですから、私の心の中にそっとしまい込んでおけば良いのですけど、お子さんに『ワンちゃんはあんまり虫歯にはならないんだって!』とお話のネタにしてもらえたら面白いかな?と記事を書いてみました(^^;;
そして虫歯にならないから安心というわけでもなく、歯周病もとてもこわい病気です。
ワンちゃん猫ちゃんは毎食後歯磨きすることがないために2日ほどで歯垢が蓄積し、歯石になってしまいます。
一度ついた歯石は歯磨きでは落とせません。さらに表面についた菌よりも、歯肉の奥深くに入り込んだ嫌気性菌の方が体に悪影響を与えるため、麻酔下で、歯周ポケットの中までしっかり汚れを除去することが最良となります。
麻酔のリスクから、なんとか麻酔なしで処置してほしい。と言う方もいらっしゃいますが、ワンちゃんに恐怖心を与えないためにも、処置を隅々まで丁寧に行うためにも、麻酔下で処置する方が負担も少なくなります。
今では室内飼いのワンちゃんがほとんどを占め、人間とのコミュニケーションも密接になっているからこそ、ワンちゃんのお口の中の健康も維持したいものです。歯周病のひどいワンちゃんのお口の中を顕微鏡で見ると、細菌が多数おり、トリコモナスという原虫がウヨウヨしていることもあります。免疫の弱い小さなお子さん・ご高齢のご家族がいらっしゃる場合は特に、ワンちゃんのお口の中を定期的にチェックし、綺麗にしてあげることをお勧めします。