秋の空が高いワケ
夏の高い湿度もようやく落ち着き、気づけば髪の毛のうねり問題からも解放されてきました。
カラッと晴れた秋の空は広く見えて写真映えするので大好きです。特にコスモスと青空の組み合わせは最高です。
こちらの写真たちは私が大学の頃、院長と共に八甲田に行って撮影したものたちです。
↓の写真に見える足は当時の院長です。
広々とした青空の下で深呼吸すると、自分の中に溜まっていた悪いものが換気されていくような爽快感があります。
ところで、秋の空ってなぜこんなにも広々、高く見えるのでしょう?
それは大気中の水蒸気が少なくなり、光の散乱が減るために透明度が上がり、遠くまで見渡せるようになるからです。
つまり、湿度が下がってきたという証拠ですね。
薬局の陳列も、日焼け止めメインからハンドクリームへと変わっていました。
ちなみにこちら↓はメタモン好きな私のために、スタッフがプレゼントしてくれたハンドクリーム(*´꒳`*)
これからの季節は、湿度に悩まされた夏が嘘のように、乾燥でカピカピになっていくはずです・・・
そしてちょうどこの秋という季節は、夏に受けた紫外線ダメージが残っており、朝晩の寒暖差、乾燥により皮膚の水分が奪われがち、寒さにより血流が悪くなり、皮膚への影響が滞るため、皮膚のケアも入念に行なってほしい時期となります。
乾燥から皮膚のバリアが失われると外部からの刺激に敏感になり、痒みの原因になってしまいます。
シャンプー後の保湿剤だけでなく、スポットタイプの保湿剤などもデイリーケアとしてお勧めです。
こちらのデルモセントシリーズは、天然成分・低刺激のケア用品で、私のイチオシ商品♪(なぜイチオシしかというと、自分の家の猫で検証済み:今は亡き愛猫花の毛がデルモセントスポット剤の使用により、タワシみたいにゴワゴワパサパサだった被毛がうる艶になったからです^^)
肉球部分が硬くひび割れてしまう子は、バイオバームがおすすめ。冬に人気の商品です。
皮膚疾患で通院しがちな子は、〝病気を治す〟というご相談のほか、病気が治った後〝同じ病気を繰り返さない〟ためのご相談も、是非早めにされてみてはいかがでしょうか。
秋らしく
10月に突入しまして、外に出るとあちらこちらで金木犀の香りが漂ってきています。
秋は近くで見ずとも、離れていても、目を閉じていても、お花の存在を楽しむことができますね。
気温はまだまだ暑い日があるものの、晴れた日の空も秋らしい、澄んだ青空になってきました。
病院にお問い合わせのある症例も、秋らしさを感じる内容となってきたような気がします。
特に誤飲の症例では、「もつ鍋を食べてしまった!(にんにく・ニラあり。)」「ブドウを食べてしまった!」という子が相次いでいらっしゃいました。もつ鍋の症例はちょうど涼しくなった日だったためか、偶然2日続きました。
例年、寒くなってくると「うちの犬がお鍋を食べてしまった!」という症例のほか、「焼き鳥を串ごと食べちゃった!」という症例も多いです。
寒くなってくると、温かいものを食べたくなるので(人間が)、その分匂いも強いものとなり、ワンちゃんも食欲がそそられてしまうのでしょう。 食欲のない子のご飯はあえて温めて香りを立たせて与えるという方法もあるくらい、”匂い”というのは食欲に大きく影響する要因となります。
玉ねぎ・にんにく・ニラ・チョコレートなど、明らかに食べてはいけないといういうものであればわかりやすいのですが、
『これってどうなんだろう??』と判断に迷うものを食べてしまった場合は、かかりつけの先生へ相談や、直接受診してしまうことをお勧めします。ネットに対処法なども根拠のないものや不確かなものも多いため、注意が必要です。
誤飲してしまったものは、胃の中にあるうちはお薬で吐かせることができますが、腸に移動してしまうと吐かせることができなくなってしまうので、誤飲してしまった際はできるだけ早く対処してあげる必要があります。
芋・栗・果物・新米など巷には美味しいものがたくさん出てきて、夏場に落ちていた食欲も戻ってくる秋ですので、人間の方は食べ過ぎに、ワンちゃん猫ちゃんは人間の食べ物を誤食しないように気をつけてください^^;
やっぱり早期の健康診断
※こちらは春に作成していた記事となります。なんだかんだでアップしそびれていました・・・・・。
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1年で一番力を入れている春の健康診断キャンペーンは無事先日終わりを迎えました。
毎年恒例でチェックしてくださっている方や、フィラリアの採血ついでに今回初めて健康診断された方など様々でしたが、今年の健康診断では本当に多くの病気・異常が早期に発見され、健康診断を勧めてよかった!!という症例が相次ぎました。
《こちらの記事では以下腫瘍のお写真などを掲載しております。苦手な方はご注意ください。》
中でも、以前から皆さんに注意を呼びかけている脾臓の異常(病気が進行してからでないと、症状として現れにくい/血液検査上で異常が発見されにくい)が7件ほど見つかりました。
そのどれもが、全く症状がなく、たまたま健康診断の時に発見されたのです。
しかも、予約特典で行っているエコー検査での発見です。(予約特典は〝膀胱〟のエコー検査となっていますが、院長はついでに脾臓もチェックしてくれることがあり、全てそれで見つかっています。)
とあるわんちゃんの場合は、キャンペーン期間中にお泊まり依頼があり、ついでに健康診断のコースも行うとの流れで検査を一通り行った結果、発見されました。
小さいお子様もいらっしゃるご家庭のわんちゃんで、普段はお父様が病院に連れていらっしゃるのですが、今回健康診断で発見されなければお父様不在時に脾臓の腫瘍が破裂し、大変なことになっていた可能性も高く、このタイミングで健康診断をお勧めしてよかった!という事例となりました。(夜間に緊急事態があった時など、お子さんをどうするかで悩まれる方は多いはずです)
実はスタッフのわんちゃんも脾臓の腫瘍が見つかったのですが、それはスタッフプロフィール写真を撮るために連れてきてもらった際、ついでに健康診断もしていこうかな・・・と行い、見つかったものでした。
こちらも血液検査上は全く異常がなく、もちろん臨床症状(側から見ていて気がつくような症状)もありませんでした。
院長がエコーを当てている際に発見し、その日のうちに手術を行うことができました。
スタッフのわんちゃんは7ヶ月ほど前にも健康診断として血液検査・エコー検査を行っていましたが、その時はどちらも異常がなく、おそらくその腫瘍はそれ以降、その7ヶ月の期間にできた腫瘍と思われます。
これを考えると、やはり動物は(年齢にもよりますが)最低年2回の健康診断を!というのもますます頷けます。
ちなみに、スタッフのわんちゃんは隣接していた肝臓も病理検査に提出しましたが、肝臓も血液検査上は全く問題のない数値だったものの、病理検査では慢性肝炎との診断が出ました。肝臓も沈黙の臓器と言われるだけあり、血液検査だけで100%評価することができないということを改めて認識させられました。
脾臓の腫瘍は血腫・結節性過形成・血管肉腫・肥満細胞腫・悪性リンパ腫などなど良性のものから悪性のものまで原因は様々です。
取り切ればそれで大丈夫というものもありますし、取り切った後もその後の治療が必要なものまであります。
たまに耳にする「毎年健康診断はしていたのだけど、異常が見落とされていた。」という例では、内容を聞いてみると血液検査の項目数がとても少なく、確かに価格として安価ではあるけれども、その分見ている範囲が少ないために病気の発見を逃してしまっていたという問題があります。
せっかく健康診断を行ったのに、中途半端な項目しか見られない、チェックした項目をどう捉え、今後どのようなことに注意していくことが大切なのか理解できなかったとなると、健康診断を行った意味が薄れてしまいます。
仮にフルセットで血液検査を調べていて、数値上問題がないとしても、それが100%病気がないと言い切ることはできません。
数値上問題がないというだけなので、数値として表れない病気にどのようなものがあるか、血液検査だけでなくどのような検査まで行うとそのわからない部分まで評価できるのか、健康診断を行った数日後に突然病気を発症する可能性もあるということを念頭に置いて結果を捉えなければなりません。
健康診断を行ったら、ぜひ「半年後はどこまでチェックしてもらおうか」もセットでご相談されてもいいと思います^^
春の健康診断で秋に使えるクーポンをお配りしているのもそのためです♪ ぜひご活用ください。
2024年夏の!獣医さん体験
今年の〝夏の!獣医さん体験〟も無事終了することができました。
ここ数年は、お盆期間に連続日程で獣医さん体験を行なっていたのですが、今年はすでにお昼の時間に手術やトリミング等の予約が入っていたため、飛び飛びのお日にちでお盆過ぎの平日2日で開催することとなりました。
日程を熟考するあまりこのようなギリギリの日取りになってしまったのですが、なんとか子供達の夏休み期間中に開催することができてよかったです。
今年も、予約受付のLINE配信をしてすぐに多くの方からご予約希望の連絡をいただき、あっという間に枠が埋まってしまいました。
毎年リピートされる方も少なくないイベントでしたので、今年は新規のご希望者様優先として受け付けさせていただきました。
しかしながら、イベントが近くなったあたりでご体調を崩されてしまった参加予定者様もいらっしゃったため、最終的にリピート希望の方にもお声がけさせていただき、全部で8組の方々にご来院いただきました。
毎年獣医さん体験が終わった後、私は一人反省会をし、今年の内容はどうだったか(ワクワクするような内容だったか、ここでしか体験できないような珍しい体験だったか、子供たちが疲れすぎる内容ではなかったか、難しすぎなかったか、危険な場面はなかったか、前後の診療に支障がないか)を検証していて、次に活かせるようにしています。今年の獣医さん体験も、去年の検証がプラスになるよう工夫しました。
1時間枠の中で、院長に付いてもらう30分、看護師スタッフに付いてもらう30分と区切って体験してもらっているのですが、毎年どうしても院長側の体験が長くなりがちだったため、今年から看護師スタッフ担当の体験を増やすことにしました♪
今年行った内容は、聴診体験、膀胱エコー体験、採血体験、静脈注射体験、腹水抜去体験、サクションポンプ使用体験・レントゲン防護服体験・手術体験です。
聴診体験では、実際に我々が使用している聴診器を使い、心音BOXから正常な心音と異常のある心音を聞き分けてみます。こちらは毎年変わらず行ってる定番の体験です。
心雑音を聞いて、「カエルみたいな音がする・・」と表現されるお子さんもいらっしゃって、お子さんならではの感性が素晴らしいなと感じました。
エコー体験では、膀胱(水風船)にある石(ビーズ)を見つけてもらうのですが、みなさん上手にエコーのプローブを当てて膀胱結石を画面上に映し出せていました。(院長から撮れたエコー写真プレゼントしてもらっているお子様もいらっしゃいました^^)
採血体験では、犬猫が主にどこから採血をするのか/その血管がなんという名前なのかを看護師スタッフに説明を受けながら、ご自身で好きな血管を選んで1ml採血してもらいます。
静脈注射体験では、薬剤の入っている(と見立ててある)バイアルからお薬を吸って、血管内に投与する体験をしました。
今年新たに用意した体験グッズは、看護師スタッフも興味津々で、獣医さん体験の合間に自分たちもやりたいと体験していました🤭
どういうことに気をつけながら針を扱うのか、刺すときの角度はどのくらいなのか、、
実は我々が日々行っている1つ1つのちょっとした動作も、実は知識と経験に基づいて行われているものなのです。
腹水抜去体験では、シリンジに三方活栓と呼ばれるパーツを取り付け、翼状針という針を装着し腹部を穿刺します。
取れた腹水は膿盆と呼ばれるトレイに排液していきます。使用した医療器具の名前の由来や、どうしてそのような形をしているのかもスタッフから説明を受けました。
サクションポンプの使用体験では、どのような場面でこの機械が使われるかの説明を受けた後、ぬいぐるみの腹部・膀胱に溜まってあるお水を空になるまで吸引する体験をしてもらいました。
(実際にそのような使い方をすることはないのですが尿道カテーテルの挿入体験も兼ねて尿道に見立てた管から膀胱に溜まったお水もサクションを使って抜いてもらいました。)
こちらの体験は手術室で行ったので、ついでに無影灯の説明も受けてもらいました。無影灯は、手術室の象徴ともいえるライトですよね。
サクションは、ただ液を吸うだけの機械ですが、こちらは重い手術の時に登場しがちだったりします^^;
吸い上げた液体はこの容器↓の中に溜まっていきます。
過去にこれがなみなみになるくらいの血液を腹腔内から吸い上げたこともありました。
かつて行っていた手術体験も、今年装い新たに復活させることにしました。
何度でも繰り返し練習できる手術キットの登場です。
手術の時の縫合方法は様々ありますが、一番よく使われる縫い方を今回子供達に学んでもらうことにしました。
こちらも、使用する器具の持ち方からレクチャーしていきます。
手術器具の持ち方は、工作ハサミの持ち方とはちょっと違うのです。
慣れない持ち方の中、初めて見る糸の結び方に子供たちだけでなくお母様お父様も興味津々。
この手術の縫合方法を見られて、「不思議!魔法みたい!」とおっしゃられる方もいました。
お母様の中には、ご自身が帝王切開などを受けられた経験があり、「抜糸も痛かったなぁ〜…」と、お子様が結べた糸を抜糸しているときに思い出されている場面もありました。
レントゲンの防護服着用体験では、放射線から身を守るため、レントゲン室がどのような構造になっているか、防護服やカーテンがどうしてこんなに重いのかの説明も受けます。
小さい体に、重い防護服を着用してもらいました。
実際のお仕事中は、この重さの防護服を着ながら大型犬を抱っこすることもあるのです。(それでも昔の防護服よりは軽くなってると思いますよ!!)獣医さん・動物看護師は体力勝負!!
また、実際にあった症例として、飼い主様のネックレスを飲み込んでしまったワンちゃんのレントゲンや、お腹に赤ちゃんのいるワンちゃんのレントゲンなども見てもらいました。
今年は内容盛りだくさんで、30分30分みっちり獣医さん体験を行うことができたと思います。
参加されたお子様の中には、将来獣医さんになりたいとおっしゃってくれる子もいて、とても嬉しい気持ちになりました。
獣医さんは、もちろん動物の死とも向き合わなければならない時も多いし、悲しい経験や色々な悩むことも多いけれど、動物も人間も幸せにできるとっても素晴らしい職業だと思います。
ぜひ今回の経験をもとに、将来大きくなってたくさんの命と向き合える心優しい獣医さんになってくれたら嬉しいです。
大雨・洪水の後は
昨日は突然の土砂降りで、室内で作業していた私は一瞬蛇口の栓を締め忘れたのかと思ってしまうほどでした。
まだまだ台風や大雨には注意が必要そうですね。
夕方頃のことだったので、お散歩に出かけている最中でなくて良かったと思いましたが、大雨や洪水の後のお散歩であっても注意するべきことがあります。
それはレプトスピラ症という感染症です。
レプトスピラとは、普段はネズミの腎臓などに保菌されている細菌ですが、ネズミの排尿により土壌が汚染され、土砂崩れや洪水により流れ出し、お散歩中や川遊びの犬や人に経皮・経口感染するものです。
経皮感染とは、その名の通り、皮膚から感染するものなので、靴を履いていないわんちゃん・猫ちゃんは特に感染のリスクがあります。ワクチンの種類を決めるときに、キャンプや田舎に連れて行く可能性のある方にはレプトスピラ感染症の予防も特におすすめしています。
人獣共通感染症のため、人間も川遊びや素足等で道を歩くと感染の危険性があり注意が必要です。
日下家も連休中は子供達を川遊びに連れていきましたが、連れて行く際は大雨の後でないこと・川の濁りがないことを確認してから行きました。
上の写真は、大和町にある蛇石せせらぎ公園の川の様子。今年は昨年以上に川魚がたくさん泳いでいました。
こちらの川は水深が浅く、わんちゃんや小さな子でも遊びやすいのでおすすめです。(もちろん遊んでいる間は必ずお子さんから目を離さないように。。)毎年娘のリクエストで行くのですが、今年も楽しく遊んでくることができました^^
病気に休みはない
当院で最近導入した最先端の医療機器IMAGYST(イマジスト)は、AI技術を応用した血液塗沫検査および細胞診の検査システムを搭載した機械です。
今まで、外注検査による細胞診は、検査結果が出るまでに数日~1週間程度(今のようにお盆やお正月、GWなど、長期連休がある場合はそれ以上)の日数を要していましたが、ベトスキャン イマジストは、スキャンした細胞診標本の画像データが世界各国の獣医病理学専門医により最短2時間で診断されるため、検査結果のレポートが早ければ当日中に届くので、早期診断・早期治療を開始することが可能となりました。
〝病気に休みはない〟という当院の考えにもマッチしており、結果が出るまでに過ごさなければいけない不安な期間を大幅に短縮できるという点で、とても良い検査機器であると思います。
導入してから、早速癌診断を受けた患者様がいらっしゃましたが、数時間で診断が下り、次の日には抗がん剤の治療を開始することができました。
当院が導入した時点で、こちらの機械はまだ全国で10台しかないとのことでした。
患者様ご家族の不安な時間が少しでも短縮され、いち早く治療を開始し、元気な日々を取り戻すことができますよう、この機械が活躍できればと期待しております。
カビ大喜び
梅雨時期から気温が上昇する夏にかけてはカビがもっとも生えやすい季節です。
カビは、皮膚病や呼吸器へ悪影響を及ぼすため、病気予防のためにできる限りカビが生えないよう環境を整える必要があります。
生活環境の湿度・温度管理はとても重要で、湿度は40〜60%、気温は18〜26度を保つことが大切です。気温は、犬種により暑がり/寒がりなわんちゃん猫ちゃんがいるので、お留守番中は温かい/涼める環境どちらも用意してあげると良いでしょう。
エアコンだけでなく、湿度や熱がこもらないよう、サーキュレーター等を活用しながら温度・湿度管理をしてあげてください。
人の方でも、この時期はマラセチア性毛包炎に注意!とニュースでも取り上げられていました。
健康なわんちゃんでも、常在としてマラセチア(酵母様真菌)は皮膚に存在しているのですが、代謝異常・内分泌異常・食物アレルギー・アトピーといった基礎疾患を抱えていると増殖し、皮膚が脂っぽくなったり痒み・赤みなどの異常を引き起こします。
人用ですとコラージュフルフルといったシャンプーが売られていますが、動物用だとマラセブシャンプー/マラセキュアシャンプーを使用している方がいらっしゃると思います。
こちらのシャンプーは確かにマラセチアによりベタベタした脂汚れをすっきりと洗い流し、抗菌・抗真菌の成分により細菌やマラセチアの増殖を抑えてくれる作用がありますが、たまに皮膚の状態が良くなってからも、「以前使っていた」という理由のみでずっと継続使用されている方がいらっしゃいます。
シャンプーといっても、抗菌・抗真菌成分を含むものですので、必要な場合以外でも安易に使い続けてしまうと、抗生剤の不適切使用と同じく薬剤耐性真菌を生み出す原因となってしまいます。(下水への垂れ流しは薬剤耐性菌・真菌の原因となリります。)
薬用シャンプーが不要となるくらい状態が良くなったら、デイリーケア用の低刺激シャンプーに切り替えてあげてください。
薬用シャンプーも、薬と同じく、症状に合わせた適切なものを適量、適切な期間(頻度)使用することが大切ですので、皮膚病の治療維持でご使用の方は、都度動物病院に相談しながらお使いいただくことをお勧めします。
その際、シャンプー剤だけでなく、是非保湿剤も合わせてご相談されると良いと思います。シャンプー後はどうしても皮脂が落とされ乾燥しがちになりますので、皮膚のバリアを失わないために保湿剤も合わせてお使いください。
ちなみに、当院ではマラセチア皮膚炎でベタベタしてしまった子のために、グルーミングのオプションとしてクマザサ温浴などもご用意しております。これからの時期、ベタベタ汚れが気になる方はシャンプー時にオプションとしてご利用できますので診察時にぜひご相談ください。
薬が効かない
今や菌に薬が効かない「ポスト抗生剤」時代に、年500万人死亡
先日こんなタイトルの記事が目に飛び込んできました。
コチラの内容につきましては、当院のインスタやブログでも度々話題として取り上げておりましたが、何度でも呼びかけていきたい内容ですので、改めてブログ記事として投稿させていただこうと思います。
当院の薬袋もリニューアルした理由としては、デザイン的な問題の他に、“お薬の使い方”に関して、皆さんにしっかりと認識してほしいからです。
特に左の黄色薬袋(内服薬用薬袋)の裏面2段目には抗生剤の注意事項について記載しています。
以前から薬剤耐性菌については警鐘されているのですが、人の方でも動物の方でも、お薬の処方時にしっかりとした説明をされることが少ないように感じます。
実際、「お家に余っている抗生剤があるから・・」と色々な方から耳にすることが度々あります。
抗生剤は細菌に対してのお薬のため、ウイルス性の病気やアレルギー疾患などには効果がなく、また少し良くなったからといって途中でやめて良いお薬でもありません。このため安易に処方されるお薬でもないですし、当然余るほど出されるお薬でも無いのです。適正量を適正期間服用しなければ、その薬に対して抵抗をもった細菌を生み出してしまう原因になってしまいます。
抵抗をもつ。ということは、お薬が効かない。ということです。
極力お薬を飲まなくて良いのであればやめてしまいたい。という気持ちもわかりますが、再度自分の免疫が落ちてお薬に頼らざるを得なくなったり、自分の身の回りの免疫力の低いお子さん・ご高齢の方、基礎疾患のある方など、大切な人が薬の力を必要とした時に使える薬剤が無いということになってしまいます。
使わないか、使い切るか。
抗生剤についてはこの2択だと思います。
抗生剤を処方された際に、しっかり処方された指示通り服用しているでしょうか?お家に余っている抗生剤はないでしょうか?
今一度お薬の使い方に関して意識を向けていただければと思います。
(NEW薬袋の裏面、是非見てくださいね。)
ヘタウマBOX
昨日インスタで告知しましたが、この度ヘタウマグッズとして小さいBOXが出来上がりました!
こちらのダンボール箱のヘタウマは、薬袋に採用されたイラストの他、、
新しく発掘されたヘタウマや、このダンボールのために書き下ろした新しいイラストまで盛りだくさん♪
もしかしたらみなさんのご家族の“うちの子”もイラストになっているかもしれませんよ!
こちらのBOXを作ったきっかけは、患者様からお薬やサプリメントなどの配送依頼があった際に、もっと当院オリジナルのダンボールで送りたいなと思ったことです。
入れる量や・大きさにも寄りますが、これからはお薬依頼があった際にはできるかぎりこちらのダンボールでお送りさせていただきます!
また、一般販売も致しますので、わんちゃん・猫ちゃん友達へ何かプレゼントをお送りする際だったり(お中元・お歳暮時期にもぜひ)
我が子のグッズの収納としてもお使いください。
BOXの内蓋には、画伯イラストの中で一際異彩を放つ“歩くパグ”のイラストが吹き出し付きで施されています。
こちらは当初、手元に荷物が届いた際の注意点を言わせようかと思っていたのですが、皆様にも色々な場面で使ってもらえるよう、あえて空白にいたしました。
↓贈り物用BOXとしてご利用の際は、お相手への一言を添えたり
↓おもちゃBOXにする際は、その子のお名前を入れたり
↓お薬BOXとしてご利用の時は、特記事項を記載すると忘れ/間違え防止に役立ちます。(フィラリアやノミダニ予防を何日に飲ませるか忘れてしまう場合など役立ちます!)
また、わんちゃん・猫ちゃん用としてだけでなく、誰かのお菓子入れとして使ってもGood。
今回のヘタウマダンボールも、フジサワコーポレーションさんと打ち合わせをし作成いたしました🎵
厚みもしっかりあるので、見た目だけでなくちゃんと箱として長く使用できそうです!
〝わざわざ〟
ご存知の方も多いと思いますが、当院の情報発信はこちらのHPのほか、インスタの投稿でも行なっています。
インスタでは様々なアカウントがあり、動物関係はもちろん、実体験を元にした漫画投稿やお役立ち情報など、とても面白い投稿が多数で、日々写真をアップするついで、他のアカウントを見るのが私の毎日の楽しみになっています。
その中で、いつも拝見していて、とても参考になるなぁ!と感嘆しているアカウントがあるのでご紹介したいと思います。
それがコチラ💁♀️B.B軍曹さん。
コチラのアカウントには軍曹さんの旦那様(通称:髭さん)の、ヒトを不快にさせない素敵な言い回しの数々載っているのですが、その中でも私が目から鱗だった内容があったので、是非紹介したいなとブログに書こうと思いました。
それが、「人を不快にさせない夫のコミュ力」のページ。
髭さんの語録にも毎回感心しているのですが、軍曹さんの、内容をうまく伝える要約力と表現力もとても素敵だな。と、いつも投稿を楽しみに拝見しています。
この「人を不快にさせない夫のコミュ力」には、一つの言葉で良い方にも悪い方にも受け取られることがある。という内容が分かりやすく漫画にされています。
私自身、今までこの単語は当然のように「自分なんかのために・・」という謙遜の意味合いで用いてしまっていました。
しかし、そうと受け止められない方/場面もあるのですよね。
ではどういう言い方が誰も傷つけない言い方なのか?
これが髭さんの最後の一言で腑に落ちて、どれもたった10コマに満たない短い漫画なのですが、毎回自分の人間力を上げるためにとても勉強になるのです。
軍曹さんの漫画のエピソードは、軍曹さんの繊細な物事の捉え方に、髭さんの機転が効いて優しく思いやりのある切り返しが絶妙にまとめられていて、小学校の道徳の時間にこの漫画を用いても良いのでは?と思えるくらいの内容になっています。
どれだけこちらに悪気なくても、伝わり方がうまくいかなければ相手の心を傷つけてしまうので、言葉の選び方ってとても難しい・・・と、人と話す度猛省している私ですが、この漫画で日々勉強になっています。
当院では3月に業者さんに協力していただき、スタッフ研修として院内でマナーセミナーも行いましたが、正しい日本語の使い方の上に、髭さんの温かみのある言葉をチョイスできたら素敵だなと憧れています。
この40年近く凝り固まった人格・言葉遣いを直すのは容易ではありませんが、髭さんだったらこういう時どういう言葉を選ぶんだろう?と意識して、これからも成長していきたいなと思っています。(ちなみに私と髭さんは同い年らしいです。自分がお子様すぎてお恥ずかしい・・)